モンスター

山中に封印された怪物「姦姦蛇螺」は存在する?!

姦姦蛇螺(かんかんだら)は、2009年ごろネット上に投稿された怪異譚、及びその中に登場する怪異的存在の名前である。

生離蛇螺(なりだら)、生離唾螺(なりじゃら)とも俗称されるという。6本の腕を持つ巫女姿の上半身に蛇の姿をした下半身という異形の存在であり、とある山中の区画に封印される形で放たれている。封印を害した者には危害を与え、その下半身を見た者は呪われ決して助からないという。

昔、人を食う大蛇が村で暴れており、村人たちが霊能力を持つ一族に助けを求めると、最も能力の強い巫女が退治に遣わされた。しかし激戦の中で下半身を食われた巫女は、あろうことか家族や村人から「生贄」と扱われることとなり、両腕を切り落とされた末に蛇に飲まれた。しかし大蛇が去ったのち、巫女の家族そして村中の人々が次々に死に、生き延びた村人たちは巫女の怨念だと恐れあらゆる呪法を尽くして封じ込めることに成功したという。

物語では、ある少年たちが森に入り、注連縄を張った空間の中にあった、小さな棒が奇妙な形に配置されて入っている箱をいじってしまったことで姦姦蛇螺に遭遇する。これが姦姦蛇螺を封印するための仕掛けだったようだ。なお、封印場所とするには特定の法則があり精緻に測った上で区画を割り出すらしく、作中では少年たちの遭遇後にどこか知らない他所へ封印場所が移されたという。




2008年ごろからネット怪談では、くねくねなどの「見てはいけない存在」をはじめとして、八尺様のような「異形の怪物の解放・封印」を主軸としたものが盛んに語られるようになった。ネット怪談の系譜として捉える場合、姦姦蛇螺はまさしくその当時の流れをくむトレンドの怪異とみなすことができるだろう。

しかし、とある自衛隊員が演習で山中に入った際、見知らぬ神社の裏にあるフェンスに囲まれた一画で姦姦蛇螺のような存在に遭遇したという驚くべき目撃談もある。残念ながら場所については、九州の某所という以上の情報が無いために在所の確定はできていない。

なお余談にはなるが、大分県は各市町村に蛇の妖怪話が多く伝わっていると言われ、別府市や由布市にも、人間の女性の姿で道行く人を襲う蛇妖怪もいると言われている。姦姦蛇螺の存在について、これらは何らかのヒントになるかもしれない。

【参考記事・文献】
・小松和彦/常光徹『47都道府県妖怪伝承百科』
・いかにして『八尺様』は生まれたのか/Web怪談と現代のオカルト
https://rootport.hateblo.jp/entry/20120606/1338980066

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Photo credit: Shinichiro Hamazaki on Visualhunt

(にぅま 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)