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「魔法の弾丸」は存在しなかった?ケネディ大統領暗殺事件で新たな証言

1963年11月22日現地時間12時30分、テキサス州を遊説中だったジョン・F・ケネディ大統領が、ダラス市内をパレード中に銃撃され、死亡した。犯行はリー・ハーヴェイ・オズワルドによるものとされているが、彼が狙撃したという建物からは狙うのが難しいという指摘も出てきている。

中でも有名なものが「魔法の弾丸」だ。ケネディ大統領の検死写真を見ると、銃弾が大統領の背中と胸とを貫通し、大きくカーブを描き戻って再び前進し、前 席に座る州知事の胸・手首・ふとももを貫通したということが解る。

たった一発の銃弾がこのような軌道を描くとは思えないため、オズワルド以外にも別の狙撃犯がいたのではないかと考えられているのだ。




だが、この「魔法の弾丸」について新たな証言が出てきた。当時、暗殺の現場に立ち会った元シークレットサービス捜査官ポール・ランディス氏が最近、第二の狙撃手の可能性を示唆する「魔法の弾丸」説を覆す重要証言を行ったのである。

現在88歳のランディス氏は、暗殺事件から60年近く経った現在になって、ニューヨーク・タイムズ紙に自身の思い出を語った。彼は銃撃直後後の混乱の中でケネディ大統領が座っていた場所のすぐ後ろ、オープンリムジンの後部座席に、ほぼ原形をとどめない弾丸を発見したと証言。検視官のために、その弾丸を大統領の病院のストレッチャーに載せて保存したというのだ。

この発見は「魔法の弾丸」が当時のテキサス州知事ジョン・コナリー氏の担架から発見されたという長年信じられてきた説を覆すものであり、弾丸がケネディ大統領の担架から転がり落ちた可能性を示唆するものとなっている。

だとするとやはり、ケネディ大統領を狙撃したのはオズワルドだったのだろうか。ケネディ大統領暗殺事件では、未だに明らかにされていない資料や文書が多数存在する。

今回のように、今まで闇に葬られてきた事実が明かされることを願ってやまない。

(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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