スピリチュアル

「 帰還〜英霊、死しても任務を完了す」

不思議話の末席に加えていただけるということで、18年いた自衛隊生活の中でも1番信憑性がある話、聴いてください。

時は平成1桁、今から約30年程前の話です。入隊して約2年ぐらい過ぎ仕事にも慣れ、M駐屯地、第◯◯衛生隊に所属し、後輩も数名出来たばかりの頃、あるニュースが飛び込んできました。

第◯◯連隊のトラックが休憩中のサービスエリアで炎上して、隊員数名が全身火傷で事故現場近隣の病院へ搬送されたとのこと。

この事故は、日頃訓練に行く時トラックの後ろに荷物と一緒に積まれることが多い私たち下っ端は、特にトラックの後ろでの喫煙について厳しく指導されたので印象に残っている事故です。

原因は『そうやく』という紙のようなよく燃える火薬が一緒に積んであることを知らず、隊員が喫煙したことにありました。しかし火薬の燃え広がり方がひどく、ほぼ皆全身熱傷(全身火傷)となって運ばれたらしいのです。

私は衛生隊に所属していたので先輩はもちろん看護師もおおく、駐屯地の医務室などで当直勤務もしていました。で、自分の班の班長ももちろん当直に行ったわけですが、その事故の数日後、夜中の3時ごろ何やら病室や廊下が騒がしいのを感じたのです。




おかしい・・・誰かが急に腹痛とか起こしたならまず電話が鳴るのに・・・直接来たのなら受付の呼び鈴を押せるようになっているのに・・・悪戯で備品を盗むなんてのは考えにくいけど・・・などと想像しながら懐中電灯を取り廊下へ出ると、シーンと静まっていました。

すると、当直室の電話が突然大音量で響きわたり、腰を抜かすほど驚きました。その電話というのは、火傷をして入院した隊員の所属する部隊からのもので、隊員が死亡したことを報告するものだったのです。

ここまではよくある話ですが、もう一本別のところにも似た不思議なことが起きていました。それは事故を起こした中隊で、医務室で異変があったのとほぼ同じ時間、中隊当直室で階段を登り廊下を歩いてきて、中隊当直室のドアをノックする音を当時の当直が聞いており、その後に同じように病院から死亡した旨の電話を受けていたのです。

教育隊ではよく、死んでも任務を遂行しろとか言われるが、まさに死してなお帰還し(無事ではないものの帰還の)任務を果たしたのであろうと思っています。

ご冥福を祈ります。ちなみにその後は何も起きていません。

新聞に載った事故でしたが古過ぎたため正確な日時わからなくなってしまいました。こういうのは実話怪談と言えるのでしょうか?

(アトラスラジオ・リスナー投稿 グウリさん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 kscz58ynk / photoAC