事件

人食い鮫に守られている海賊の財宝が!秘境、リアル「ジュラシック・パーク島」

人類の文明から1日以上離れた小さな島は、『ジュラシック・パーク』のインスピレーションの源となった・・・。

スティーブンソンの『宝島』とマイケル・クライトンの『ジュラシック・パーク』、二つの名作が産まれるインスピレーションの元となった島がある。それが太平洋に浮かぶココ島だ。

ココ島はコスタリカ本土から南西550Kmにある絶海の孤島で、海路でしか行くことができず、しかも船で48時間もかかる。そこには手付かずの自然が残されており、島とその周辺海域のユニークな生態系から20世紀後半からユネスコの世界遺産に登録されている。

さすがに恐竜が生息してはいないものの、『宝島』に登場する海賊のような人々が島の周りにたむろしているため、注意が必用だという。

ココ島の周囲は豊かな漁場になっており、マグロやフカヒレの需要を背景に大規模な違法密漁がまかり通っていると考えられている。離島故に摘発が進まないばかりか、島を所有するコスタリカ政府が密漁者らの活動を見て見ぬふりをしているという疑惑も存在している。

実際多くの密漁者が当局によって摘発されているものの、コスタリカ政府は彼らに甘い処分を下すことが多い。数年前にも20人近くの密猟者が違法な品物とともに捕まったが、裁判官は彼らに出国を許可する判断を下している。また、大型密漁船ティウナが逮捕され、その積み荷が没収された後、公共のための資金集めのための商品の競売が行われる予定になっていたが、これも裁判官によって止められたという。




多くの犯罪者がこの島に惹き付けられるのには理由がある。じつはココ島は10億ドルの財宝が埋まっている本物の『宝島』と昔から言われているからだ。

伝説によると、1820年にペルーの有力者らが、財宝がスペインの征服者の手に渡らないよう首都のリマから送り出したものと言われており、何百枚もの銀貨やダイヤモンド、金の等身大の聖母マリア像が含まれる。イギリス人の船長ウィリアム・トンプソンは、この財宝をメキシコに運ぶ任務を負っていた。

しかし船長と彼の士官たちは兵士と司祭を皆殺しにすると、財宝をココ島に隠した。後にトンプソン少佐は捕まり、裁判にかけられた。釈放の見返りとして、彼は財宝を埋めた場所をスペイン人に教えることに同意した。しかし島に入った後にトンプソン船長らは逃げ出してしまったため、未だに宝は見つかっていないという。そのため、ある専門家は財宝がそもそも存在していないのではないか、と疑問視している。

ココ島での冒険ダイビングを主催しているアクティビティ会社、アンダーシー・ハンター・グループのジェナ・マリー・デイヴィス氏は『フォーブス』誌の取材に対し、「財宝伝説については懐疑的だがオープンマインドでいる」と語っている。

「ココ島の財宝について書くのは厄介です。伝聞や言い伝え、相反する情報が錯綜していて、真実を見極めるのが難しいからです。財宝伝説はとても楽しでしょうが、大目に見てください。トレジャーハンターが他のトレジャーハンターを道を踏み外させようと意図的に流した誤報もたくさんあります」とし、それよりも島に残されている自然に目を向けて欲しいと語っている。

(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

Photo credit: yashima on VisualHunt.com