エジプトのピラミッドがどのようにして建造されたのかという謎は、長い間歴史家たちを悩ませてきた。一部の陰謀論者たちは「ピラミッドはギザに異星人が築いたものだ」という説を述べていたが、科学者たちはついにその建築技法を解明したかもしれないと語って話題になっている。
有名なクフ王の大ピラミッドは実に230万ブロックもの石灰岩と花崗岩を組み上げてできており、ブロックそれぞれの重さは約2トンにもなる。クレーンのような現代の技術がなければ到底運搬できないと思われていたが、国際的な考古学者チームによれば古代エジプト人はナイル川の支流を使って巨大な岩を運んだのではないかと考えられている。
研究チームはギザの氾濫原から採取した5つの化石土壌サンプルをフランスの研究所に送り、アフリカ最長の川周辺で一般的に見られる花粉や植生の痕跡を探した。サンプルの採取は過酷な作業で、科学者たちは地面を9メートルも掘り進む事もあったという。しかし、これにより古代のピラミッド建設に携わった人々が巨大な石を運搬するために川から離れた水路を築いた、「クフ分岐」が存在したことを確認できたため、彼らの努力は実ることとなった。
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— LADbible News (@LADbibleUKNews) August 7, 2023
環境地理学者のHader Sheisha氏はニューヨークタイムズ紙のインタビューに対し、 「ピラミッドの建築資材の運搬が水上を移動したことを確認できたのでとても興味がありました」 と語り、この支流がなければあの巨大な建造物を建設することは 「不可能」 だっただろうと付け加えた。
クフ分岐は、ピラミッドが建設されてから約2000年後の紀元前600年頃に干上がったとされている。また、クフ分岐の発見自体は、近くの紅海で発見されたパピルスの破片から着想を得ている。この文書は「メラー」という役人 がいかにして石灰岩をナイル川を上ってギザに運んだかを伝える内容で、この文書を元に調査を行った結果今回の発見に繋がったのである。
この発見によって古代エジプト人のさらなる秘密が明らかになるかもしれない、とSheisha氏は考えており、「環境についてもっと知ることで、ピラミッド建設の謎の一部を解くことができる」 と述べている。
(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)