UFO・UMA

愛媛県大洲市『ツチノコ目撃騒動!』顛末記

以下のようなニュースで報道された。

2023年7月13日のこと、愛媛県大洲市レンコン畑でツチノコの様な生物が水面を泳ぐ姿が動画に撮影された、というのだ。

このニュース報道をよく見ると、近隣に住む女性が通りすがりに道路のすぐ横にあるレンコン畑の水面を泳ぐ、異様な生物を見て撮影されたことを語ったそうだ。

ニュースの中では、このツチノコと思われる動画を動物園の職員さんに見てもらった。すると、職員さんの見立てによると、ミズオオトカゲだと語ってる。

ミズオオトカゲは日本には生息しておらず、東南アジアに広く分布するハ虫類である。水辺に生息することが多く、水に入り泳ぎや潜水も得意である。

なお、この報道はネットでも話題になり多くの人の関心を得た。地元の市議会議員が現地に出向き、YouTubeの撮影をするほか、ツチノコの発見をまとめたサイトでは早くも掲載されていった。

ところが、何故かこの後、ニュースが閲覧できなくなってしまったのだ。

そこで筆者は自身の目で確かめるべく現地調査に向かうことにした。

7月15日、実際にミズオオトカゲか現場に行き、撮影機材などを用意し調査に入った。舞台となったレンコン畑は、2区画に分かれ大きい畑と小さい畑がある。

今回ツチノコが見かけられたのは、小さいレンコン畑の方である。ポイントを変えながら水面を観察しているとザリガニ、カエル、アメンボなどの生物は見かけるがお目当てのツチノコらしき生物には出会えない。近くの大きいレンコン畑や周辺にも出向くが何も見かけることは出来ない。

このことから、直接聞き込みに入る事にした。レンコン畑の近くの通行人などに聞き込みをすると半数以上の人はレンコン畑でツチノコの様なものが見られたことは知っているが、ニュースを見て知っているだけでそれ以上のことは知っている方は居なかった。

すると、10人ぐらい通行人に聞いたところで、男性から興味深い情報が得られた。




「ツチノコのニュースが放送される数日前に、小学生がレンコン畑の横で集まって何かが居るって大騒ぎになっているのを見た」と言うではないか。

これは、もしや重要な情報と思いさらに詳しく伺うが、通りすがりで見たのでこれ以上の情報はなかった。

もしかしたら・・・動画が撮影される前に何かがすでに居たのでないだろうか。このことから、さらに他の方たちへの聞き込みを続行したが新情報がなかった。

ここで、休憩もかねて地元の飲食店の寄り、念のために聞いてみると、なんと実に重要な情報が得られたのだ。

「ツチノコ騒ぎなら知っているよ。顔見知りで連絡先はわからないけど聞いたところによると、撮影者がミズオオトカゲを放して動画を撮影したからって誹謗中傷があってためにニュースを取り下げてもらったって聞いているよ」と言うではないか。

どうやら誹謗中傷が原因でニュースが閲覧できなくなったようだ。

なお、撮影者の連絡先を得ることは無理だったが、市役所と市内の爬虫類カフェで話の詳細を伺った。

まずは爬虫類カフェを取材する。この爬虫類カフェはレンコン畑から7キロ離れたところで多くの爬虫類を扱っている。全国的に脱走や放置された爬虫類や、ヤマアラシなど生物の保護にも関わっている爬虫類の専門家が経営するカフェである。

ここで、興味深い話が聞けたのである。

「ニュースで報道された動画に不自然なとこがある」「動画に映る生物はミズオオトカゲであるが模様から推測すると、15cmほどの大きさと思われるが、目撃者が語っていた体長と食い違う」「ミズオオトカゲが近隣から逃げ出してレンコン畑まで来る可能性は低く、もしかすると誰かがレンコン畑に放した可能性が高い」

現在は役所からの捕獲に関する指示を待機しているといい、すでに捕獲作業に動いている模様である。

そして、別の取材では意外な真実が・・・

7月22日、大洲市役所に電話取材を慣行。すると担当者につないでもらったとこ思わない情報が得られた。

「レンコン畑のツチノコ騒動ですが、あの動画はレンコン畑で撮られたものでないです」「なので、捕獲作業も今後おこないません」という回答。

詳しく聞くと、この騒動の報じた地元のテレビ局がレンコン畑で撮られた映像でないと訂正放送がされたそうだ。そして、実際に7月19日に、その訂正放送がされたことがわかった。

テレビ局の方にも、確認のため取材をすると「あれはガセです」と言われた。どうも、海外で撮影されたミズオオトカゲの動画をレンコン畑で撮影されたと偽って情報が提供されたという。

今回の騒動を通して、「ツチノコ目撃」に関する誤認の中でミズオオトカゲの可能性が広まったことだろう。だが、ミズオオトカゲは日本には生息してない。さらに陸上では手足が確認できるのでミズオオトカゲがツチノコと誤認することは少ないはずだ。このことからも、これまでのツチノコ目撃の中に於いてもミズオオトカゲとの誤認はないだろうと思われる。

(おかゆう 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)