ペルーの研究者たちが、巨大な古代海洋生物の化石を発見した。
この先史時代の鯨類の化石は、13年前にイカ砂漠で初めて発見され、大規模な発掘と分析を経て、今週、新たに分類された種が科学誌『ネイチャー』に掲載された。ペルーの出身国であることと、顎が飛び出るほどの大きさであることから、この生物はペルセタス・コロッサス(Perucetus colossus)と名付けられた。
重さ340トン、ペルーで新種クジラの化石発見 史上最重量の生物か
古生物は「Perucetus colossus(ペルーの巨大クジラ)」と名付けられた。体長は20メートル程度と推定されている。映像は8月2日撮影。 pic.twitter.com/BWZiyji2Er
— AFPBB News (@afpbbcom) August 3, 2023
この生物の骨格は完全に揃ってはいないものの、発見された化石標本ーーー具体的には4本の肋骨、13個の脊椎骨、腰骨からその大きさを推定することができた。標本が非常に高密度であったことからこの生物は骨格だけで約5トンから9トン、全身で375トンという驚異的な体重を持つ、存在した中で最も重い動物であった可能性があるという結果になった。
勿論、これだけ重い生物が陸上で生きられる訳がなく、骨の周囲にあった物質からこの生物が3900万年前頃の海に生息していた可能性が高いと判断した。
ペルセタスの推定体重は、現存する最も重い動物の記録を有するシロナガスクジラの体重をはるかに凌ぐものだ。現存する生物の中ではマナティーに似ているとされるペルセタスは、海底に生息する植物や動物の死骸を食べていたと考えられている。
しかし、他の専門家からはこのような巨体を維持するためにはそれだけでは十分な栄養が得られないという反論も出てきている。またペルセタスの骨格は不完全であるため、体重もあくまで推測に過ぎないとする意見も出てきている。古代のクジラは果たしてどのような生物だったのか、気になる所だ。
(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)