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タイプミスで数百万通もの米軍メール「極秘情報」がロシア同盟国に送信された!?

米国の軍事機密情報が、電子メールの単純なタイプミスにより、ロシアの最も緊密な国際的同盟国のひとつに流出していたことが判明した。

米軍の電子メールの接尾は『.MIL』なのだが、これが西アフリカのマリ共和国のドメインである『.ML』になってしまったことから、数百万通の電子メールが軍の電子メールアドレスではなくマリ共和国に送信されてしまったことになるというのだ。しかもマリ政府はロシアのプーチン政権と密接な関係にある。

マリ共和国は今年初めに行われたウクライナ侵攻を非難し和平を求める国連決議案に反対票を投じた6カ国のうちの1つだ。ちなみに他の国はベラルーシ、北朝鮮、シリア、エリトリア、ニカラグアとなっている。また昨年9月には、ウクライナ領土の違法な併合を非難する投票にも棄権するなど、何度もロシア側につく動きを見せている。

フィナンシャル・タイムズ紙によれば、この問題は今に始まったことではなく、これまでマリ共和国の国別ドメインの管理契約を結んでいたオランダのインターネット起業家、ヨハネス・ズールビア氏が10年近く前から指摘していたものだという。




彼は、この問題がいかに深刻であるかを米国に示すために、1月から誤送信された電子メールを収集した結果、現在で累計11万7000通近くにも上っていると報告している。「このリスクは現実のものであり、米国の敵対勢力に悪用される可能性がある」と、彼は今月初めに米国政府に書簡で伝えていた。

暴露された情報にはジェームズ・マコンヴィル陸軍参謀総長を含む重要人物のスケジュールの詳細から外交文書、パスワードまで含まれているほか、医療データや各種基地の写真、視察報告書、米軍兵士とその家族に関する情報も含まれているという。

更に深刻なのは、ズールビエ氏の10年間におよぶドメインの管理契約が17回月曜日に切れたことで、以降は情報が流出していた事実を知らせる手だてがなくなってしまう可能性が高いというのだ。

かつて国家安全保障局(NSA)と米陸軍のサイバー司令部を統括していたマイク・ロジャース氏は、『フィナンシャル・タイムズ』紙に対し「問題はその規模、期間、情報の機密性である。このような持続的なアクセスがあれば、機密情報以外からでもインテリジェンスを生み出すことができる」と述べている。

(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

Steve BuissinneによるPixabayからの画像