事件

神のふりをして女性から30万ドル以上をだまし取った男が告発される

スペインにて、「神」を装った男性が老女から30万ドル以上をだまし取ったという事件の裁判が始まって話題になっている。

この奇妙な事件は2013年、スペイン北西部のレオンに住むエスペランサと名乗る被害者女性の元に「最高神」を自称する人物からの電話が届いた事から始まった。普通の人なら電話を切るところだが、エスペランサさんは以前「聖母マリアによって聖女にされた」という体験をしていたため、本当に神から電話がかかってきたと思い込んでしまったのだ。

ちなみにエスペランサさんの奇跡体験は彼女の周囲では有名なものであり、信心深い人の中には信じる人もいたとか。そのため、今回の詐欺事件を企てた人物は彼女の逸話を良く知る人物だったようだ。

神を騙ったその男は、エスペランサさんに電話口で「自分の持っているお金を渡せば、『天国銀行』の当座預金口座に預けることができる」と告げた。彼女の資金を神聖な機関に移すことで、今よりも「より多くの収益」を得ることができ、更に「時が来れば天国に家を建てることができる」と騙ったのだ。




エスペランサさんは完全にこの嘘を信じ込んでしまい、数年間に渡って自称「神」の経営する店にお金の入った封筒を送り続けた。途中で詐欺と気づくだろうと思う人もいるかもしれないが、詐欺氏はこの送金を誰にも知られないようにするため、「天国の金銭的取り決めについて子供たちに話したら、『神』に殺される」と彼女に警告して誰にも相談できないようにしていた。

しかしエスペランサさんが貯金を使い果たし、家族に借金を頼み始めたことから家族が不信に思い、ついにこの詐欺が明らかになった。エスペランサさんが送った金額は総額で30万ドル以上(日本円にして実に4100万円以上)にものぼったとのこと。

なお、神に成り済まして詐欺行為を働いた男性は現在起訴されているが、自分は無実だという主張を続けているとのこと。しかし検察はエスペランサさんに神を装った電話の録音を証拠として提出する予定なので、裁判では不利になるとみられている。もし有罪判決が下れば、男性は最高8年の懲役刑を受けることになるとのことだ。

(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

Photo credit: Delwin Steven Campbell on Visualhunt.com

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