古代に地球を闊歩していた恐竜が現代に蘇ったら---そんな設定の「ジュラシック・パーク」は原作小説も映画版も共に人気の作品だ。この作品のヒットは実際に絶滅した植物や樹木を復活させるプロジェクトを含む多くの科学者にインスピレーションを与えたとされている。
イギリスの王立エディンバラ植物園のアレックス・デイヴィー博士は、「ジュラシック・パーク』のような作品は、絶滅して久しい動物を復活させるというコンセプトを広めたものの、失われてしまった多くの植物にはこれまでほとんど関心が払われていなかったと語る。種の絶滅というとどうしても生物を想像しがちだが、同じように多くの植物も絶滅している。事実、現存する植物種の40%が消滅の危機に瀕しており、気候や他の生物種、そして人類の福祉を脅かしているという。
「結局のところ、地球上のすべての生命は植物に依存していますが、気候変動、外来種、土地利用の変化によって、絶滅のスピードは加速しています。これらの植物が、癌等の病気の治療法を持つ可能性も含めて、どれほど重要な存在になり得るかわからないのです」とデイヴィー博士は語る。
そこで現在科学者達が計画しているのが、絶滅した樹木を復活させるプロジェクトだ。幸いにして、恐竜は復活させるためのDNAを得ることが難しい状況にあるが、植物の場合は世界中に存在する研究施設で、種子が保管されている事が多い。
『ジュラシック・パーク』のような絶滅生物の復活プロジェクトは、まず身近な植物の復活から始まるのかもしれない。
(田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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