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ドラゴンの墓が、肋骨が残っている!?北イタリアの「タランタジオ」伝説





世界各地には様々なドラゴンや凶悪な怪物がいて、倒されたという伝説が残っている。

だが、あまりその怪物がいたという痕跡、遺骨や墓等が残されているという話は少ない。そんなドラゴンの伝説の証拠が今も残っている数少ない事例が、イタリアはジェルンド湖に住んでいたというドラゴン、タランタジオだ。

タランタジオは凶暴なドラゴンで、湖の近く、ロディ地方の人々を長らく恐れさせていたという。実際、イタリアのロンバルディア州ミラノ県カッサーノ・ダッダにはカーシナ・タランタというこのドラゴンの名前にちなんだ地名が今も残っている。

タランタジオは湖の中に潜んでおり、釣り人らのボートを壊し、子供を多く襲って食べたとされている。また疫病を引き起こす毒の息を吐き、吸い込んだ人は黄熱病にかかってしまったとされている。




このドラゴンは12〜13世紀にかけて実在した武人エッツェリーノ・ダ・ロマーノの死体が変じたものである、という伝説があった。エッツェリーノは皇帝フリードリヒ2世のもとで武人として活躍し、イタリア北部を統治していた。何よりその武勇と残忍な性格で知られており、流れる血を見るととりわけ凶暴に暴れ狂ったという。彼は1258年にトリチェリの戦いで教皇軍を打ち破るも、後に戦いの際に負傷し捉えられ、死亡しているが、その腐った死体から凶暴なドラゴンのタランタジオが生まれたというのだ。

さて、長い間人々を苦しめてきたタランタジオは後にある人物に退治された。後に彼の家系はイタリアの有名な貴族ヴィスコンティ家となった。ヴィスコンティ家の紋章には人を飲み込むドラゴンが刻まれているが、これは祖先が退治したタランタジオの姿だとされている(諸説あり)。

一方で退治された後もタランタジオの伝説は地元で親しまれていたようで、湖に浮かぶアキリ島にはタランタジオの墓とされるものが存在している。また、タランタジオの肋骨とされるものを保管している教会などもあったという。タランタジオの伝説はこの地域ではかなり有名で、人々に知られているものとなっているので、北イタリア旅行する機会があった際には足を運んでみてはいかがだろうか。

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(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)