2015年4月8日、タレントの剛力彩芽の1stアルバム『剛力彩芽』が発売された。

このジャケットには、1979年に連載が開始され、今なお高い人気を誇る漫画『キン肉マン』の作者であるゆでたまご先生が、描き下ろしのイラストを提供している。

その絵は、剛力彩芽と『キン肉マン』に登場する“あるキャラクター”をコラボした物となっているが、選ばれたのは、ロビンマスクやウォーズマンなどの有名超人ではなく、単行本第1巻に登場した「怪獣ゴーリキ」であった。

ゴーリキとは、ミート君が、キン肉マンの対戦相手として派遣した怪獣であり、マニア以外には、ほとんど知られてないキャラクターであり、このセレクションは、キン肉マンファンたちを驚かせた。

キン肉マン単行本表紙ネットニュースなどの報道によれば、制作サイド側から「剛力彩芽をゴーリキ風に描いて欲しい」と、ゆでたまご先生にオファーしたそうだ。
このCDが発売後、剛力彩芽の芸歴に変化が生じている。彼女は、2008年にファッション雑誌で、モデルデビューして以来、テレビや映画などで活躍してきた。

しかし、2013年の『ガッチャマン』や2014年の『黒執事』などにも出演した際に、原作ファンたちから「イメージと違う」、「映画出演は、ゴーリキのゴリ押し!」などの反感を買い、“原作クラッシャー”とネット上で叩かれ、メディアでの露出が減少の傾向にあった。

だが、このCD発売以降は、『天使と悪魔ー未解決事件匿名交渉課ー』や、現在放送中の『ドクターカー』などのテレビドラマ主演に抜擢されたり、愛媛県漁業協同組合連合会が主催する地域振興プロジェクト『ベストパールプリンセス2016』の2代目プリンセスに選ばれるなど、再ブレイクの兆しを見せている。

彼女の1stアルバムでコラボした『キン肉マン』の主人公・キン肉スグルは“火事場のクソ力”によるミラクルを度々起こし、数々の強敵に勝利したことから、「奇跡の逆転ファイター」の異名を持つキャラクターだ。

剛力彩芽の再ブレイクは、『キン肉マン』とコラボしたことによって、作品自体が持つ“奇跡の力”が作用していたのではないだろうか?

彼女以外の例を挙げると、『週刊少年ジャンプ』1979年26号に掲載された『キン肉マン』の作中には、萩本欽二という、欽ちゃんこと萩本欽一をモデルにしたキャラが登場したが、同年の12月31日には、あの『全日本仮装大賞』の第1回が放送され、司会者には皆様がご存知の通り、欽ちゃんが抜擢されている。

これらの事例から、『キン肉マン』にはコラボした芸能人をブレイクさせるというジンクスがあるのだ。再ブレイクを目指す芸能人の方々は、『キン肉マン』と何らかのコラボを実行することが、近道になるかもしれない?

文:平山賢司(サブカルライター)

 



関連記事

最近の投稿

ページ上部へ戻る