未来人ブームのはしりとなった人物「ジョン・タイター」その2

未来人ブームのはしりとなった人物「ジョン・タイター」その1 から続く

タイターの予言はその後も続々と的中した。

「ローマ法王の交代(2001年2月8日予言 2005年4月19日に的中)」「ペルーの大地震(2001年2月8日予言 2001年6月23日に的中)」「中国の宇宙進出(2001年2月19日予言、2003年10月15日的中)」「第二次湾岸戦争(2001年2月25日予言 2003年3月19日的中)」「狂牛病(2001年3月24日予言 2006年に的中)」

このように、多くの事例が現実のものとなったわけだが、無論、反論がないわけではない。

CERNの研究項目に関しては、関係者から聞き出せば(或いはハッキング、盗聴などで)的中させることはやぶさかではないし、ローマ法王の年齢から考えれば、交代は容易に予測できたであろう。中国の宇宙進出も、イラクへのアメリカの侵攻も経済学者・政治学者による学術的予測により想定できる内容だというのだ。




なお、はずした予言もある。

「2000年問題で世界的なトラブルが起きる(1998年4月27日に予言 的中せず)」「第二次アメリカ南北戦争(2000年11月7日に予言 的中せず)」「2008年北京オリンピックの中止」、この3つは見事にハズレている。

だが、未来人であるタイターによる予言の場合、外れるのは予測の範囲内だとも考えられた。

これには、彼が語ったタイムトラベルの理論が関係していた。タイムトラベルに対する解釈はいくつか存在するが、それは時間や世界をどのように捉えるのかという問題でもある。

例えば「ドラえもん」や「バック・トゥ・ザ・フィーチャー」で描かれているような、一本道の時間の流れを想定したタイムトラベルの概念が存在する。この場合、過去に戻って、そこで何らかの行動をとる事で、未来は変化する可能性がある。逆に何もしなければ、未来で起きることは確実に起きる出来事となる。




これは古くから物語などで取り上げられてきた解釈であるが、タイターはこれを否定している。世界は一つだけでなく、同じような世界ながら異なる現実をもつ「パラレルワールド」がいくつも存在するのだという。

つまり、別の世界においては、既に人類が消滅している可能性もあるし、我々のいる世界よりも平和で幸福な世界が存在する可能性もあるとする解釈である。

この解釈では、タイターの世界で起きたことが、我々の世界では起きないこともあり得る話なのである。

タイターは我々の世界と地続きになっている未来から来たのではなく、2%ほどの誤差がある別の世界の未来から来たのだと語っており、異なる世界である以上、タイターの予言が外れたとしても、それは想定内の出来事だとも言えるのである。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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