最近のペットブームを反映してか。ペットに纏わる噂も多い。
これはペット業界で長く働くD君の証言である。D君は、大手ペットショップから始まり、ブリーダーやトリーマーなど多くのペット関連に勤めてきた。その豊富な経験から、様々なペットの噂について語ってくれた。
「例えば、こんな話を聴いた事がありますね。子犬の販売期間はせいぜい生まれてすぐから、生後1年なんですよ。例えば、どんなに人気のある犬でも2才となると値段が暴落する。あのCMでブレイクしたチワワだって、2才を越えると商品としてはキツイ。こんな、まったくお客が立ち止まらない老犬や、単にルックスの悪い犬は処分の対象となります」
「処分?つまり、それはどうなるんですか」
「処分の方法は、いろいろありますねえ〜。お店の常連さんや、知人にあげたり、特売セールとかで売る場合はまだいいんですよ」
「…まさか、殺す?」
「殺しますね。生きていても餌代かかりますんで、最悪の場合、ミンチにされるんですよ。ミンチにされ、他の犬の餌とされる事が多いです。僕が勤めていた悪質ブリーダーでは、売れない犬はすぐミンチにして他の犬に喰わせるんで、犬特有の病気が蔓延しやすいんです」
「つまり、処分された犬が病気に感染していた場合、その肉を食べた他の犬に感染してしまうという事でしょうか」
「そうです。共食いを繰り返した犬ほど毛並みが美しいとそのブリーダーの社長は言ってました。気持ち悪い話ですが、朝、小型犬をまるごと食い殺した大型犬が、夜に有閑マダムの顔を媚びるようになめ、買われていく姿は何か異常でしたね」
「他にも、奇妙な話はありますか」
「血統書詐欺なんかもザラです。血統書付きのマルチーズが大きくなるにつれ、違うに犬の特徴をしめしてきたとか。血統書付きのダックスフンドの子犬が大きくなると、実は他の犬種との雑種だったとか。笑っちゃいますが…」
「本来、血統書というもので管理されているはずの、犬の世界で何故このような事が起きるのでしょうかねえ」
「それは血統書の仕組みにあるのですよ。日本における有力な血統書は、いづれも事後申請である。ここが問題なんです。この犬とこの犬に○匹生まれたから ○匹の血統書を申請します!!只これだけで良いのですよ。だから、例え3匹生まれても、5匹と申請しても気付かれる事はない。2匹分のこの血統書は、売れるというカラクリです」
「血統書には、書名する立ち会い人がいるはずでは?」
「立ち会い人も、名義貸しですから、立会人だって同じ事やってるんですよ。お互い様ってやつかな。犬は子犬の頃は判断しづらい。親犬のどちらかの親の犬種の特徴を一方的に現している事が多い。そのような雑種の犬に、正規の血統書をつけて販売するわけです。素人にはまずわかりませんよ。こうやると。まったく金にならない雑種が、血統書1枚で10数万〜30万になるわけですし、この商売やめれないわけですよ」
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(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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