ここ数日、欧州北部の広い範囲で不気味な「オレンジ色の雪」が観測されて話題になっている。
光の屈折などではなく、実際に色のついた雪が降ってきているとのこと。これまで白かったスキー場などでは上からオレンジ色の雪が被さった事もあって、砂漠のような奇妙な光景へと変貌しているとか。降ってくる様子も砂煙のように見えるため、空も視界も不気味なオレンジ色に染まって不安を抱いた住民も多かったようだ。
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Orange snow turns Sochi ski resort into a Martian landscape – Daily Mail
この現象が確認されたのはロシア、ウクライナ、ブルガリア、ルーマニアの4カ国と周辺地域。2014年に冬季オリンピックが開催されたロシアのソチにあるスキーリゾートでは観光客らによって撮影された画像がTwitterやインスタグラムにアップされ、人々からは「火星の光景のようだ」「黙示録のよう」とする感想が出てきている。
ちなみに2007年にもシベリアで範囲1500平方キロメートルにわたって「オレンジ色の雪」が降ったという観測結果が存在している。当時のロシア環境監視団によれば、この雪は「悪臭を帯びて油分があり、また通常の4倍の鉄分を含んでいる」という結果が出ていた。この時の雪は何によって色がついたものなのかは全く不明だったという。
では、今回雪をオレンジ色に染めた原因は何だったのか。
地元ソチの気象観測所によれば、西から吹いてきている強い風により、サハラ砂漠以南の砂が運ばれてきており、上空の雲の中に砂粒が入り込んで雪と一緒に降ってきたため、オレンジ色に染まった可能性が高いという。
現地の科学者の調査によれば、今回降ってきた雪は淡い黄色から濃いオレンジ、茶色まで様々な色合いがあるため、砂に加えて花粉も含まれている可能性が高いという意見が出てきている。
厳密な結果は出てきていないが、専門家からは「数日以内に雪は通常のものに変わるだろう」という結論が出ており、ことさらに不安を抱く必要はないとされている。
(田中尚 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像&動画 ©Daily Mail YouTube