先日、ATLASでもご紹介したTBS『爆報!THEフライデー』の「夏目雅子の最期の写真」が大きな話題になっている。
本エピソードは記事でもご紹介したとおり、これまで実在が明らかになっていなかった女優・夏目雅子の生前最後の写真が、夏目の恩人である、映画監督の五社英雄氏へ託されたのだが、肝心の現物は既に紛失しており、当時撮影したカメラマンの手元に別に現像した一枚だけ残っていたというお話だ。
五社監督は女優の魅力を最大限に引き出す演出力を持っており、夏目のほか岩下志麻、かたせ梨乃などをスターへ押し出したほか、この日『爆報~』にスタジオゲストとして出演していた夏木マリも五社監督に見出されたひとりであるという。
番組では五社監督と夏木との信頼関係を説明するための再現VTRが作られたのだが、その演出がやや過剰だったためか、ネットで物議を醸す事態になったようだ。
夏木マリは五社監督の作品『十手舞』(1986年)の撮影中、五社監督から厳しい演技指導を受けており「馬鹿野郎!」「辞めちまえ!」と毎日、大勢のスタッフ面前で怒鳴り散らされていたという。さらに五社監督からの罵声は数日間続き、夏木マリはノイローゼになり自殺を決意。
しかし夏木は寸前のところで思いとどまり、自殺は未遂に終わり、その翌日、夏木は五社と撮影所で再会したのだが、そこで夏木は驚くべき一言を聞いたという。
なんと五社監督いわく、夏木にキツく当たっていた理由は「スタッフの志気や団結力を高めるためのハッタリだった。ワザと罵声を浴びせていた」と笑いながら夏木に語ったというのだ。
番組では「五社監督の情熱的指導」と紹介されてはいたが、ネットでは「これは完全にパワハラだ!」「いったい何故このエピソードを美談っぽく演出するんだ!」などと紛糾していた。
確かに客観的に見ても五社監督のやり方は少々乱暴であったように思われても仕方ない。また昨今、様々なハラスメントに敏感な風潮において「美談」として紹介するのはかなり無理があったようだ。
#MeeTooという昨年から活発化した世界規模でのセクハラに対する女性たちの怒りの行動や、また特に今年に入り、女子レスリングのパワハラ問題も記憶に新しい。このことからもパワーハラスメントに対して世間からの風当たりは非常に強いこともあり、今回のプチ炎上につながってしまったのではないだろうか。
(文:江戸前ライダー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 ©松竹 ©五社プロダクション