20世紀屈指の無差別猟奇殺人犯、切り裂きジャック。
間違いなく、世界で最も有名な殺人犯の一人だが、彼がロンドンに出現し消えてから120年も経った今でも、正体が誰だったのか決定的な答えは出てきていない。
ジャックはその凄惨な犯行に加え、自身の犯行に関する手紙を書いて送りつけたことでも知られている。この手紙の内容を分析すれば謎が解明出来るのではないかと、当時から多くの人々が手紙の分析を行ってきた。
ちなみにこの手紙はロンドンのセントラル・ニュース・エージェンシーにて公開され、当時から話題になっていたが、事件を面白がった人によって作られたいたずらに過ぎないものであるという説もあった。
この度、切り裂きジャックが出したとされる2通の手紙をマンチェスター大学のAndrea Nini博士が現代の法医学的技術をもって文体の分析を行った。
彼は手紙の中に独特の単語が共通して用いられていることを発見。例えば「元に戻す」という句動詞や、「killer」という単語から別のセンテンスへのつなげ方に独特の癖が確認できるという。
「私は言語分析により、この2つの手紙の文が同じ人物によって書かれたという確信に近い考えを持っている」と彼は述べる。
「これまでの分析では、手紙が手書きであったこともあり筆跡の癖や類似性に基づいて同一人物の手によるものと考えられてきたが、単語や構文から解る癖もその仮説を裏付けるものとなっている」
(加藤史規 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©wikipedia “Dear Boss” letter