今、テレビで引っ張りダコの親父と言えば、梅沢富美男である。愛人と旅行に行っていたら台風中継に映ってしまい浮気がバレたり、愛人とライブに行ったら会場でかみさんと遭遇したり、何かとお騒がせのベテラン俳優だ。
その梅沢富美男がブレイクする転機となった1曲がある。
ちあきなおみが歌ってヒットした「矢切の渡し」がその曲だ。
20代の頃、梅沢富美男は冴えない役者だった。舞台で三枚目を演ずるものの人気がいまいちパッとしない日々が続いていた。
ある時、知人がレコード持ってきた。そして、こう言い放ったのだ。
「この曲で踊ってみたらどう?」
それが「矢切の渡し」であった。そして女形の姿でなまめかしく踊ってみると、たちまち人気が爆発した。
その事がきっかけで、31歳の時、TBSで放送されていた「淋しいのはお前だけじゃない」にて旅役者の役を演じることになった。これが初めてのテレビ出演であった。
その後、NHKの紅白歌合戦で、今度は細川たかしの歌う「矢切の渡し」に合わせて踊りを舞うなど、実績を積み重ねていき、現在の不動の人気に至っている。
たった1曲の歌が人生を変えることもあるのだ。
(山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©日本コロムビア「矢切の渡し」ちあきなおみ ©TBSキングレコード「淋しいのはお前だけじゃない」