これは、ある関係者から聴いた幕末に関する都市伝説です。
徳川幕府の14代将軍に徳川家茂がいました。彼は朝廷との政略結婚として和宮と結婚しますが、たいそう仲がよかったといいます。
ある時、和宮は、夫の家茂に頼みました。
「貴方の写真をください」
ところが、写真嫌いの家茂はなかなか首を縦に振りません。しかしながら、妻の懇願する姿を見て、一枚だけを写真を与えたそうです。ただ、ひとつだけ条件をつけました。
「この写真は、あなたにあげるのだから、決して他人に見せてはいけないよ」
この約束を和宮は死ぬまで守りました。
家茂の写真は、和宮だけが密かに持っていたという噂はその後連綿と言い伝えられました。
平成に入った頃、 和宮の墓を改葬工事をした時に、一枚のガラス板の写真が発見されました。写真には、鼻筋のとおった二枚目で高貴な衣装を身にまとった男性が写っており、家茂の写真ではないかと騒ぎになりました。
ですが、不思議な事に翌日写真の画像は何故か消失してしまったのです。
「和宮は家茂との約束を護って、夫の写真をそっと消したのかな」
工事関係者たちはそう囁きあったそうです。
(森本ジロー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 ウィキペディア「和宮親子内親王」より