青坊主は江戸時代の絵師、鳥山石燕の「画図百鬼夜行」にて紹介されている妖怪である。
草庵の下にたたずみ、僧侶の法衣らしきものを着込んだ一つ目でざんばら髪の妖怪の姿で描かれている。しかし、解説などは一切無いため、この妖怪がどのような性質のものかは解っていない。
姿形は今でもよく伝わっている一つ目入道に近いが、青坊主のサイズは人間と同じくらいかやや大きい程度だと考えられる。名前に含まれている「青」という字は「青二才」にも通じることから、身だしなみも整えず修行の足りない生臭坊主を揶揄し、妖怪として表現したものが「青坊主」ではないか、とする説もある。
この妖怪は見た目のインパクトが強いことからか、昔から現在まで多くの妖怪を題材にした作品に登場している。伝説がないことから逆にキャラクターとして自由に使いやすかったのかもしれない。
姿形はともかく、青坊主という名前の妖怪は各地に伝わっている。静岡県では夕暮れに子供をさらってしまう妖怪が「青坊主」と呼ばれていたし、山口県には山の神が小坊主の姿を借りて相撲をとろうと挑んでくるものを「青坊主」と呼んでいる。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)