「洗脳」と「マインドコントロール」との違いだが、薬物投与、暴力、電極を埋め込む手術など物理的暴力や、精神的な圧迫により、記憶や人格・主義・主張を変えてしまうのが「洗脳」であり、人間の心理を利用してある一定の方向に思考や行動を誘導してい
くのが「マインドコントロール」である。
「マインドコントロール」は、キャッチセールスやセミナー商法においても利用されており、高額商品や高額サービスが販売されている。「洗脳」は最初その人物が持っている価値観や概念を完全破壊し、新しいものをその上に築きあげるが、「マインドコントロール」は、その人物がもともと持っている価値観や概念を歪んだ方向に導くというものである。
「マインドコントロール」を一躍有名にしたのは、1992年に行われた統一教会の合同結婚式である。翌1993年に脱会した山崎浩子が記者会見にて「(統一教会によって)マインドコントロールされていました」と発言したことがきっかけである。
なお、「マインドコントロール」が現実に実在するかどうかは、心理学的にも議論が分かれるところであり、米国の学会や裁判所では「マインドコントロール」は、疑似科学と解釈されている。
このように「洗脳」や「マインドコントロール」を駆使するカルト団体に、何故、人間ははまってしまうのであろうか。誰しも、まさか自分がはまることはないだろう。そう思っているはずである。だが、犠牲者は後を絶たない。学歴や人種、職歴に関係なく、人間はカルトに食い物にされているのだ。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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