今なお謎めいた海域として知られているバミューダトライアングル。
アメリカのフロリダ半島、バミューダ島、プエルトリコの三点を結んだ間に広がる北大西洋の海域では、昔から船や飛行機が行方不明になるとされていた。そのため「魔の海域」と呼ばれてもいた。
しかし先日、オーストラリアの科学者Karl Kruszelnicki博士は独自調査によってバミューダトライアングルで発生した消失事件はすべて異常現象によるものではなく、単純な人為的ミスである可能性が高いとする結論を提出した。
彼はロンドンの船舶保険会社ロイズ(Lloyds)と米国沿岸警備隊に報告されたバミューダ・トライアングル一帯で発生し報告された行方不明事件を抽出。同時に他の場所で起きる船舶や飛行機の行方不明件数と比較したところ、世界のどこであっても行方不明になるパーセンテージは同じになる事が判明したという。
バミューダトライアングルは非常に交通量の多い空域であり、海域でもある。そのため、事故や失踪が報告された結果この海域が目立ってしまう事となってしまったのではないかと見られている。
また、バミューダトライアングルで報告された失踪事件の一部は人間の誤りに起因する点があることも確かだ。
バミューダトライアングルで起きた代表的な失踪事件に、1945年12月5日にフロリダ州の空軍基地を出発した5機の戦闘機が定期的な訓練飛行を行ったところ、5機の航空機すべてが完全に消滅し、残骸すら見つけられなかった「フライト19」失踪事件が存在する。
この時、失踪した戦闘機の捜索救助任務に派遣されたPBMマリナーの水上飛行機も、13人乗組員とともに姿を消している。
だが、後年これらの事件を精査したところ、意外な事実が判明した。フライト19は航行ミスで海に向かって飛んでしまい、飛行機が燃料を使い果たして陸地まで到達することはできなかったのだ。
また、彼らを捜索したPBMマリナー水上飛行機も、事故によって空中で爆発したと考えられている。
様々な事故に関する憶測や不確かな情報が交錯したことによって産み出されたものが、バミューダトライアングルの伝説だったのかもしれない。
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The Mystery Of The Bermuda Triangle
(加藤文規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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