フリーメーソンに薔薇十字団、テンプル騎士団にイルミナティ、ゴールデンドーン(黄金の夜明け団)など…有史以来、世界中には数多くの秘密結社が存在する。
彼らは、時に暗躍し歴史への介入を起こすと言う。今回紹介するふたつの結社は、主に欧州を中心に活動しているとされるものだ。
薔薇十字団は、フリーメーソンの母体になったと言われている古い秘密結社である。クリスチャン・ローゼンクロイツの遺志を継ぎ、古代の叡智である錬金術や魔術などを学ぶ組織であり、1614年にドイツのカッセルで刊行された怪文書『全世界の普遍的かつ総体的改革』にその名前が見える。
古代ユダヤのカバラの叡知を学習するのが目的で政治的、経済的な活動は活発ではないが、その知識体系は高く評価されている。哲学的な勉学、宗教的な研鑽には大きな意味があると言われている。その薔薇十字団の入会申込書がこれである。明るいパンフレットと一緒に、入会希望者に配布されており、秘密結社のようなおどろおどろしいイメージはない。
クラブ・オブ・ジ・アイランドとは、ヨーロッパの王侯・貴族の親睦会であるといわれている。数百年に渡り、ヨーロッパの王族や貴族は婚姻によりつながっており、その結束による政治力、経済力はメーソンをも凌駕するというが、単なる社交界のネットワークだと主張する研究家もおり、実体が不明である。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)