アメリカの1ドル紙幣には、不気味なシンボルが大きく描かれている。ピラミッドの上部に光輝く目がある、いわゆるフリーメイスンのマーク「プロビデンスの目」だ。
秘密結社であるフリーメイスンは、古代の石工職人たちによる組合(ギルド)が起源とされている。高度な技術を持ち、互いに連携しあって建築技術を磨いた彼らは、専門技術や利益を守るために秘密主義になっていった。その側面がやがて、秘密結社として警戒されていくようになる。
さて、エジプトには古代の王朝が築き上げた墳墓ピラミッドが大小含めて多数あるが、これらのピラミッドを築き上げたのもフリーメイスンである!?とする説が近年出てきている。
その証拠として上げられるのが前述のアメリカ1ドル紙幣のマークであり、ピラミッドとフリーメイスンのロッジが共に東向きで作られる事など共通点があるためとされている。
しかし、ピラミッドは昔から王家や神官らが計画的に作っていたことが判明しており、フリーメイスンの前身となった石工たちの組合についても古代イスラエルの伝説が最古のものとなる。
これはピラミッドが建造されるよりずっと後の時代の話になるため、フリーメイスンとピラミッド建造はあまり関係がないと見るのが正しいだろう。
また、この説は比較的最近になって出てきたものなので、恐らくアメリカ1ドル紙幣にあるフリーメイスンのマークから単純に連想されて都市伝説化したものと見られている。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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