プロレス界で、一族が次々と死亡し「呪われていたのではないか」とする都市伝説が流れた選手がいる。鉄の爪・フリッツ・F・エリック一家の不幸だ。
ジャイアント馬場の宿敵としてアイアンクロー(鉄の爪のあだ名の由来となる技、こめかみを物凄い握力でつかむ)で日本人レスラーを痛めつけた雄姿は、オールドファンの目に焼きついている。
このフリッツには、6人の息子がいた。
長男は幼くして池に転落、その池に電線が接触し、放電した電流で感電死するという悲劇で世を去っている。
しかし、70年代後半に次男・ケビン、三男・デビット、四男・ケリーがプロレスラーとしてデビュー、父フリッツ・F・エリックの悲願でもあったNWA王座に焦点を絞る。
特に三男・デビットの才能はアメリカマットだけでなく、全日本プロレスでも評価され、プロレス界の未来のエース候補であった。
こうして、鉄の爪三兄弟は人気レスラーとなったかに見えた。
だが、三男・デビットは1984年2月10日、全日本プロレスのシリーズ中にホテルの一室で突然死してしまう。死因は今も判然としないが、ステロイドによる内臓疾患が原因といわれている。
その後、デビットの遺志を継いだ四男・ケリーがNWA王者になり、五男・マイクもデビューし、再び鉄の爪3兄弟が活躍すると思われたが、五男・マイクが薬物の過剰摂取で死亡する。
更に六男・クリスにデビューするが、大きすぎる期待から自ら命を絶ってしまう。
また、事故から復帰したケリーは、足首を義足ながらも活躍するが、ドラッグの不法所持で警察にマークされ、逮捕される前日に自殺してしまった。
結局、6人の男の子はたったひとり、ケビン・フォン・エリックしかいなくなってしまったのだ。
いいようのない悲劇である。
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(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)