6月14日、肺の病気で横浜市内の病院に入院していた落語家の桂歌丸が無事に退院した。
この日、歌丸は鼻に呼吸チューブをつけたまま病院を後にし、出演予定だった神奈川県民ホールで行われた落語会「特選 匠の噺会」へ出演した。
落語こそ披露しなかったものの、集まった客への謝罪とジョークを交えた歌丸流の挨拶が行われた。
歌丸は今月2日の入院以前にも1月と4月に肺炎を発症していて、今回が3回目の入院であった。度重なる入院で歌丸の健康問題はまさに全国民の心配事といえる。
その心配は歌丸のいる落語界でも同様であり、歌丸の所属する落語芸術協会、そして落語会の主催者たちは毎日のように歌丸の体調を気遣う毎日で、一部では歌丸に体調が戻るまで完全休養するよう伺いを立てている、との噂もあるほどだ。
実際、歌丸はいまや「チケットの取れない落語家」の代表であり、今回の入院でキャンセルとなった落語会の主催は歌丸と同等の大物落語家を短時間で用意しなくてはいけなかったという。
実際、入院中の4月28日に行われた落語会では歌丸の代わりに同じ『笑点』メンバーの三遊亭小遊三が出演。今月3日に行われた春風亭小朝と出演予定だった「ふたり会」では小遊三に加え林家たい平が替わりで高座にあがった。
現在、小遊三もたい平も「恩義のある歌丸師匠なら…」と快く急遽の代役を引き受けているが、二人とも売れっ子で多忙な身であるため、今後は急な代役に対応できない可能性がありそうだ。なお、歌丸のほか代役のスケジュールを事前キープするだけでも多額の予算が必要になるため、近いうちに調整も難しくなるのではないかとみられる。
そのため、主催側および関係者としては、歌丸の体調が戻るまで「完全休養」。つまり活動をセーブして体力を温存してもらいたいのが本音ではあるが、歌丸本人は「まだまだ演じたい落語がある」と話していて、現役にこだわり続けているため休養のための話し合いは平行線をたどりそうである。
これも人気もの故の宿命…か??
(文:江戸前ライダー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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画像©桂歌丸14「朝日名人会」ライヴシリーズ106「三遊亭圓朝作 塩原多助一代記-あお(青馬)の別れ-」ジャケット写真より