現在、アメリカのトランプ大統領は国内で苦境に立たされている。2016年の大統領選挙の際にロシア政府がトランプ陣営に有利な働きかけを行ったとされる疑惑がFBI長官解任騒動から浮上し、ロシアとのつながりが問題視されるようになったのだ。この疑惑についてはロシアゲートとも呼ばれている。
そんなロシアから更に奇妙な動向が見られるとの報道があった。
ロシアが2013年から2015年の間に打ち上げた三基の人工衛星。長らく休眠状態にも見える動きをしていたのだが、ここに来て活動が急激に活発化するという異常な動きを見せているというのだ。
Kosmos-2491、-2499、-2504と名付けられた三基の人工衛星は、これまでにも急に加速したり軌道を変更するなど、通常の衛星には見られない異常な動きを見せていた。そして今年4月には中国の天気予報衛星の軌道内部に侵入し、1,183メートルの距離まで接近し通過したという。このKomsos-2504を始めとする人工衛星が活動を見せたのは、2015年10月以来の事となる。
専門家は、この三基の衛星の挙動を観察したところ他の人工衛星の軌道内部数十フィートの距離まで入ることができるため、この人工衛星はロシアが作成した宇宙兵器「キラー・サテライト」のプロトタイプである可能性があると推測している。機動力を活かして他の衛星等を追跡し盗聴、それだけでなく衛星をジャックし、破壊することすら出来る可能性があるという。
ロシア生まれのジャーナリストで宇宙史家でもあるアナトリー・ザク氏は、「宇宙技術の歴史を見ると、小型で安価な人工衛星から開発を始めていき、成功した技術が更に大きな衛星に組み込まれていく流れが一般的だ。今後、更に技術が発展していき、より先鋭化した軍事衛星として開発されていくならば衛星に武装を搭載する可能性も捨てきれないし、他の衛星に更なる害を及ぼす結果になるかもしれない」と語っている。
問題の人工衛星について、ロシア側は2014年12月15日の記者会見で既に宇宙機関のオレグ・オスターペンコ氏によって「キラー・サテライト」ではないとする見解を発表している。
だが、その後も異常な動きを見せているのは事実。
兵器開発戦争は既に、宇宙を舞台にするところまで拡大しているのだろうか?
(飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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