UFOに戦闘機が襲われて撃墜される。SF映画で何度も描かれているシーンだが、実際に「UFOに戦闘機が撃墜された!?」とされている事件がある。
1948年に起きた「マンテル大尉墜落事件」は、UFO事件史において、最初の死者が出たケースとして認識されている。
1948年1月7日、アメリカ・ケンタッキー州北部フォート・ノックス近郊ゴッドマン空軍基地から始まる。時間にして午後1時、ゴッドマン空軍基地の管制塔に未確認飛行物体の出現が入電した。
基地から北にいった180kmのメイスビル上空にて、白っぽい未確認飛行物体が目撃されたのだ。目撃証言によると、逆さまにしたアイスクリームのコーン型とも、笠を伏せた形とも言われている。この未確認飛行物体は人々が見守る中、西の空に消え去った。
この通報を受けて、管制塔は1時45分に双眼鏡にて未確認飛行物体らしきものを確認。2時45分、付近にて飛行中のトーマス・F・マンテル大尉に現場確認の指令を出した。このマンテル大尉は、25歳と若年ではあるが、第二次世界大戦では歴戦のベテランパイロットであった。
3時5分、マンテル大尉機より入電した。
「未確認飛行物体は金属製であり、とてつもなく大きい」
だが、未確認飛行物体は上昇し、高度があがっていく。マンテル大尉と一緒に追尾していた2機は断念し引き返したが、マンテル大尉だけはそのまま高度をあげていき、そのまま交信を断った。
3時15分、マンテル大尉の機影すら見えなくなり、捜索隊が派遣された。そして5時過ぎに、基地から150km離れた場所にて、機体の残骸と遺体が発見された。
墜落の原因は、酸素の準備がないまま高度を上げたためマンテル大尉が失神したためと言われている。では、マンテル大尉が目撃した未確認飛行物体とはなんであったのだろうか。
空軍のUFO調査機関「プロジェクト・ブルーブック」が1956年に公表した情報によると、マンテル大尉が追尾した未確認飛行物体は、海軍が極秘実験をしていたスカイフック気球ではないかと言われている。
(監修:山口敏太郎/飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)