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忠義の巨人、首が無くとも奮戦継続中『刑天』

 『刑天(けいてん)』とは、中国神話に登場する巨人であり、一説によると失った自分の頭を求め、荒野を彷徨うとされている。この巨人には頭部がなく顔は胸から腹にかけて存在する。

 それでも、手にそれぞれ楯と斧とを持って暴れ続けたと言われている。因みに、この『刑天』という言葉には”頭を切り落とす”という意味あいがある。
 元々は炎帝神農の忠実な部下であり、普通の姿をした巨人であった。




 だが「三皇五帝」の一人であり黄帝が勢力を伸ばしてきたとき、炎帝神農が討たれてしまった。主君の敵を打つため、『刑天』は黄帝に戦いを挑んだが返り討ちにされ、首を切り落とされた戦 いを止めず、そのうち両乳首が目玉に、ヘソが口になり、戦いを続けたとされている。

 また、古代ギリシャの神話に登場する斬首された罪人が悪神となった『アケパロイ』も同じく首なしの姿である。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)