以前、筆者の知り合いから聞いた話である。
彼は昆虫のマニアでテレビ東京で放送された『TVチャンピオン』にて『カブトクワガタ王』にも出場したほど昆虫に詳しい人物であった。
彼ら昆虫マニアは深夜に山間部に入り込み、昆虫を捕獲するのだが、ある時大分の湯布院から福岡県まで抜ける道を車で爆走していた。勿論、昆虫を捕獲するための移動であった。
隣の助手席には関東の昆虫マニアでベテランの男性が乗っており、二人で移動していたところ、道路際のガードレールの上に人間ほどの巨大な白猿が座っていた。
あまりに驚いたため彼はしばらく黙り込み、数分後に助手席のベテラン昆虫にマニアにこう聞いた。
「今の見ましたか?」
するとその人物はゆっくりとうなづくとこう言った。
「あれは俗に猩猩(しょうじょう)と呼ばれるものだろうね」
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)