先日、ロックバンドflumpoolのボーカル、山村隆太がアイドルを見下すような発言をしてネット上で非難されている。
この発言は3月23日放送の情報番組『ちちんぷいぷい』(MBS)でのこと。ギターの坂井一生と出演した山村は自身のバンドの武道館ライブを告知した。
その際に武道館を「ビートルズがライブをした、“バンドにとっての聖地”」と言及した上で、アイドルが簡単にライブできる今の武道館の価値を自分たちで上げたいという風な発言をした。
これがアイドルファンの癇に障ったのだ。
「アイドルというものを下に見ることで自分たちを上げている」
「お前たちこそ女にキャーキャー言われるようなアイドルバンドだろ」
「そもそも武道館は柔道競技会場として建てられたんだから、ロックバンドも本来の使い方ではない」等々・・・様々なツッコミがあった。
しかし、本日4月4日に『武道館アイドル博2017』なるイベントを近く開催することが発表された。200組1000人以上のアイドルがゴールデンウィークに武道館へと集結するイベントである。
このイベント、握手会やチェキ会といったいわゆる「接触」が目的のようである。
主催者によると「アイドルはライブだけではなく、ファンとの交流を含めた形態が今やポップカルチャーとして日本の文化の一つとなっている」との説明である。
このコメントに関して、聞こえは良いが現状とは程遠いと感じてしまうのはなぜだろう。
現在、日本の音楽産業が斜陽になっている中でアイドルがCDやダウンロード売り上げチャートの上位を占めている件や、数多くのマイナーアイドルが誕生している件も、握手会やチェキ会のような「接触」商法によるところが大きい。
アイドルとのコミュニケーションを餌に音源やグッズを売るために、バンドなどのミュージシャンよりも安定した収入が見込める。またアイドル本人たちも自分の人気を上げるために「疑似恋愛」と言われるような態度でファンに接するのだ。
今のアイドルは音楽を売っているのではなく「キャバクラみたいなもの」と揶揄されている側面があるが、これが現実である。
『アイドル博2017』はまさに前述のアイドルによる「接触」商法に特化したイベントであることが予想される。このような商法はライブのためのステージを作るよりも圧倒的に労力がかからず、また良い収益も見込める。
しかしながら、ライブよりも行き過ぎた接触商売を前面に押し出した大規模なイベントにはアイドルファンの一部でさえも懐疑的であることは事実である。
実際にはflumpool山村と同じく、「やはりアイドルは武道館の価値を下げている」という声は決して少なくないのだ。
(四方山よもお ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
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