弥五郎どんは南九州地方に住んでいたとされる巨人である。

 かなりの巨体を誇り、現地には彼が天秤棒で運んでいた土が零れた所が山になった、足跡が沼地になったというダイダラボッチや国造り神話によく似た伝説が残っている。




 この弥五郎だが、実は古代の南九州地方を治めていた先住民、隼人族の酋長がモデルになっているとされている。

 彼らは支配しようとして攻めてきた大和朝廷の軍に対して徹底抗戦をするのだが、朝廷との兵力差の前に敗れ去ることとなる。この時の戦で出た隼人族の犠牲者の数は限りなく、大和朝廷は彼らの怨霊を恐れて岩清水八幡宮で放生会を行わせた。そして、この放生会の際に酋長であった弥五郎どんの巨大な人形を作ったという。

 現在でも弥五郎どんの人形は宮崎県と鹿児島県で作られている。




 宮崎県山之口町の的野正八幡宮にて奉納される弥五郎どん人形は4メートル、赤ら顔の面に白い布衣を着ている。鹿児島県大隅町の岩川八幡神社の弥五郎どんは5メートル、鬼のような顔に茶色の着物、真っ直ぐな腕が特徴的である。宮崎県日南市の田之上八幡神社の弥五郎どんは一番大きく7メートル、天狗のような顔に赤い袴、大きな槍を持っている。

 彼らは今も、各神社の祭りでその姿を見せてくれる。

(加藤史規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

関連動画
鹿児島県 曽於市 岩川 巨大な 弥五郎どん Kagoshima Prefecture Soo Iwakawa It is huge. yakorodonn

画像はYOUTUBEキャプチャ




関連記事

最近の投稿

ページ上部へ戻る