1969年から半世紀近く放送されている国民的アニメ『サザエさん』。
長谷川町子作の原作漫画は、さらに古く1946年4月22日より朝日新聞で連載。今年はサザエさん誕生70周年にあたる年である。そこで今回はあまり知られていない「サザエさんの歴史を感じる都市伝説」をご紹介したい。
【その1】故・緒形拳のあだ名はサザエさんだった!?
2008年に亡くなった名優・緒形拳(1937年生まれ)は若手時代、おっちょこちょいの性格から師匠である辰巳柳太郎(1905年~1989年)から「お前は本当にサザエさんみたいな奴だな!」と何かあるたびに叱責されていたという。緒形拳のデビューは1958年で当時から当たり前のようにサザエさんが連載されていた。いまだに「サザエさんのような人」といえば誰しもがイメージできるだけにそのギャップに思わずクラクラしてしまいそうになる。
【その2】サザエさんのオープニングロケ地には「協力金」が支払われている!
漫画も長かったがアニメはさらに長い「サザエさん」。サザエさんで毎回流れている「サザエさんが日本全国を旅する」オープニングアニメには「協力金」という形で制作会社に支払われている。サザエさんはけっして遊びで旅行しているわけではないのだ。
支払いは県や自治体で上下はするが半年契約で600万円~800万円ほど。国の協力金は税金のため公表しなくてはいけない義務があり毎年公表されている。
現在は「佐賀県編」が放送されているが佐賀県からもほぼ同額のお金が制作会社に支払わている。これは都市伝説だが、作画が異様にこだわっている県があった場合は、それは協力金の額が多い県という証拠で、実現はできていないがサザエさん以外のファミリーをOPに出すと別料金が発生するという噂がある。
【その3】声優の高齢化でアニメスタッフが抱える問題点
現在、1969年の『サザエさん』初回からバトンタッチをしていない声優は、サザエさんとタラちゃんだけでほかのキャラクターは何度か声優が交代している。
最近ではフネさん、波平さん、中島くんの声優が交代している。フネさんは高齢による降板だが、波平さん、中島くんは放送中に声優が亡くなったためである。波平役の永井一郎氏は2014年に仕事先の広島県のホテルの風呂場にて心不全により81歳で死去。また中島くん役の白川澄子氏は2015年11月にサザエさんの収録現場に現れなく自宅の風呂場の浴槽にて急性くも膜下出血で80歳で死去した。
ふたりとも風呂場に亡くなっていることから、一部では「『サザエさんの最終回は家族全員が海に帰る』都市伝説は本当だった」、と言われることがあるが、これは笑い話ではなく安全管理の問題であり、80歳の後期高齢者が現役で働いているサザエさん出演者の問題を如実に表しているといえる。現在、出演者の一部は若返りが図られているがレギュラー出演者の平均年齢は60歳前後となっており50周年に向けて今後の展開が気になるところである
文:蜂須賀小禄