ツニートはアメリカ先住民族、イヌイットに伝わる伝説の巨人である。
言い伝えによれば、彼は極北地方にイヌイットが定住する前からこの地に住んでいた、非常に心の優しい巨人だったという。
しかし、彼は移住してきたイヌイットの祖先を見ると、目から血を流しながら逃げ去ったといわれている。
さて、このツニートにまつわる伝説は、実は先住民達の移住と侵略を指しているのではないか、という仮説がある。
2008年、コペンハーゲン大などの研究チームがグリーンランドの約3前年前の居住地跡から見つかった毛髪のDNAを調べた所、現在極北地方に住むイヌイット達とは異なる人種のものである事が判明したのだ。
こちらの遺伝子はシベリアやベーリング海峡周辺の住民のものと似通っており、モンゴロイドに相当する現代のイヌイットとは違うとのことである。
ツニートの伝説も、アジアから移住してきたイヌイットの祖先が先住民を駆逐したために生まれたのではないか、と考えられているのだ。
(加藤文規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)