怪談

【実話怪談】風呂場の窓からカネダマ?!妖怪体験談(知人体験談)昭和10年代

証言者:Oさん 東京都生まれ 東京都在住 女性 童話作家 70代 現場・青梅市

 彼女は、市の文化財保護委員をやっていた関係で老人たちから聞き取り調査を行う機会が多い。そして度々不思議な話に出会う。
 その聞き取ったいくつかの奇談をここで紹介してみたい。




 例えば、青梅には”逃げ水”という怪現象があるという。
 「水があった、あそこで水を飲もう」と思い、その場所に行くと、水溜りがなくなっており、更に先の方に水溜りが移動している現象である。
 かつて昭和初期までは青梅を含む武蔵野は、荒涼とした荒野が続く半砂漠地帯であり、旅人が水を求めて幻覚に襲われることが多かった。

 この”逃げ水”も水に関する怪異で、水を求める人の前に突如出現し、前へ前へと逃げていく。だから旅人はいつまで経っても水を飲むことができない。
 ちょうど外国の蜃気楼のオアシスみたいなものだ。水道をひねれば水が出る現代人にとっては信じられない現象である。

 また青梅では”カネダマ”という怪物体が出現する場所がいくつか存在する。
 青梅市の○○橋を渡るとSさんというお宅がある。その家の裏には竹藪があったのだが、そこに度々、カネダマが姿を現した。半透明の巨大なしゃぼん玉のような物体で、これを見ると幸福になると言われている。

 Sさんも子供の頃、このカネダマに遭遇しかかったことがある。その日は雨の日であった。
 「カネダマが出たよ、早く見においで」親から呼ばれ現場まで駆けつけたものの、怖くて直視できなかったという。格別な意味も無く富を与えるカネダマが怖かったのである。




 また青梅では、カネダマは他にも出たようで、東青梅駅を降りて暫く歩くとX(ここでは名前は伏せる)という集落がある。ここにNさんというお宅があるのだが、ここでは風呂場で目撃されている。昭和初期に姉と入浴中だったNさんは、風呂の窓の外にふわふわと空中を浮遊する半透明の球体を目撃した。
 「うわーっ」怖くなったNさんと姉は素っ裸で風呂場から逃走したが、母親に話をすると母親は顔を輝かせた。
 「そりゃ、カネダマだよ、早く行ってみておいで」と言われ、再び風呂場に行ったがカネダマの姿はなかった。幸運の逃げ足は速いものである。

(山口敏太郎 ミステリニュースステーション・アトラス編集部)

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