『平成28年熊本地震』から一週間が経過しニュース番組でも連日、現場の状況が中継されている。
今回の地震で特に問題視されていたのが「マスコミの対応」であった。
現場に到着したスタッフや記者が震災地で無理な取材を申し込んだり、配慮のない中継が相次ぎインターネットで「マスコミの傲慢」と問題になったのだ。
現場の模様は、テレビ局のカメラが全国的に配信するが、裏側については各個人のTwitterやフェイスブックなどでのみで公開されるためテレビほどの拡散力はないものの1000人単位で一斉に広まっていく。
特に今回の地震で多かったのは、地震の現場写真をTwitterユーザーから借りるニュース番組が多かったことである。TBSやフジテレビといった大手テレビ局の報道番組が公式ツイッターを使い、個人に画像の使用許可を求めリプライを飛ばしていた。
特に最近は、個人Twitterからの情報がニュースソースとなることが多く今年発生した「千葉大監禁事件」では「寺内容疑者の同級生」と名乗るユーザーが多数登場しニュース番組から取材申し込みがあったものの、いたずら目的のツイートで騒動になるなど近年問題視されている。
最近では報道番組が公式ツイッターを持つのは当たり前となったが、2011年の東日本大震災当時はまだ少なく写真は番組の記者が現場に行き、撮影するか繋がりのある現地人に写真を求めるケースがほとんどであった。しかし、今や時代は代わり現地は現地のTwitterユーザーが最新の情報を握っている形となった。
基本的に番組公式ツイッターからのリプライは信ぴょう性はあるものの、個人Twitterで「○○の記者をしております○○と申します」というリプライには注意が必要で、ニセのアカウントでのいたずら目的の可能性もあり容易な返答は危険と言える。かつて番組調査のチェーンメールが流行ったように、現在はチェーンメールに成り代わって番組を騙ったガセツイートややいたずら目的のツイートが増えている。また、そんな状況を警戒してかツイッター民のなかでは「報道機関への協力はしない」といった対応をとるユーザーも現れているという。
2016年、マスコミは新たな課題を考える時期となった。
文:横須賀小禄