皆さんはこの和歌を聞いたことはないだろうか。「東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主無しとて 春な忘るな」これは誰しも受験の際にお世話になった学問の神様、菅原道真の句である。
この道真だが、歴史上の偉人であり、天神信仰の対象となっている人物だが実は怨霊になり、自分を陥れた政敵たちを次々に呪い殺したという過去があるのだ。
901年、菅原道真は政敵たちの讒言により京の都から、太宰府(現在の太宰府天満宮)へと左遷される。京を去る 際、邸宅に植えられていた梅に対して、この句が詠まれたと言われている。不思議な事に、その梅は主である菅原道真を慕い、一夜にして太宰府まで飛んだという伝説が残されている。
太宰府まで飛んでき た梅は、通称「飛梅」と呼ばれ、現在でも太宰府天満宮の本殿に向かって右側に、ご神木として鎮座している。あまりの美しさに足を止めて眺める人も多い。
現在、太宰府天満宮には数多くの梅が植えられている。その中でも一番最初に花を咲かせるのは飛梅であると言われている。それは千年間変わったことがなく、2010年もやはり一番最初に美しい花を咲かせた。
菅原道真死後、千年以上が経った今も、忠誠を示すかのように懸命に美しい花を咲かせ続ける飛梅。なかなか愛しい梅ではないか。そんな飛梅は、勉学の成就や試験に合格できるご利益を秘めているのではないかと言われている。
(監修:山口敏太郎/田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
※画像は太宰府天満宮HPより