大好評に終わった2016年の大河ドラマ『真田丸』、当初は「言葉使いが現代風だ」、「話が軽すぎる」など多々批判もあったが、終わってみれば泣かせるドラマであったといえよう。
『真田丸』に流れるテーマは父と子の葛藤であった。偉大な父を乗り越えようと苦悩する息子たちの生き様を見事に描ききっている。
真田昌幸の偉大さに苦悩する真田信繁、徳川家康からいつまで経っても信頼されない徳川秀忠、カリスマの父、豊臣秀吉に憧れ続けた豊臣秀頼。彼らの苦しみや努力が作品に見事に昇華されていた。
再来年の2018年大河ドラマ『西郷どん』の隠れテーマは、男同士の友情を越えた絆や愛情であるという。今風に言えばボーイズラブである。
ボーイズラブというと何やら気持ち悪いが、元々新選組も特攻隊もその悲劇性の根底には男同士の熱い絆があった。その絆に女性は立ち入る隙間がない。ゆえに女性たちたちは男同士のつながりに嫉妬しながらも痺(しび)れてきたわけだ。
『西郷どん』は日本中の歴女が萌えまくる傑作になるのだろうか。今から楽しみだ。
(山口 敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)