12月に入り、今年も残るところ、あと2週間余りとなった。年末に向かって、クリスマスや大晦日、そして新年を迎える元旦とイベントが目白押しとなる多忙な季節である。
クリスマスの主役と言えば、子供達にプレゼントを配ってくれるサンタさんだろう。プレゼントが入った大きな袋を載せたソリをトナカイに引かせ、空を飛んでいくという姿は今でも世界中の子供達が夢に見るものだ。
そんな「サンタクロース」という単語は、アメリカ政府やNASAでは「UFO」を指す隠語であるという都市伝説が存在する。
1968年、アポロ8号が月調査に向かい、初めて月の裏側を確認することに成功した。月は自転と公転が地球と同期しているので、地球からは月の裏側の大半を見ることが出来ない。アポロ8号のミッションは、月を周回し再び地球に戻ってくると同時に、これまで明らかになっていなかった月面の姿を確認するというものであった。
だが、アポロ8号と地球上の基地との通信の際に「月にはサンタクロースがいる」という衝撃的な発言が流れたのである。
当然、月には生命体は存在しないはずであるし、唐突にサンタクロースという単語が出てくるのも不自然である。そのため、予め空軍内でUFOのことを隠語で呼ぶことにしており、月の裏側でソレが目撃されてしまったので件の発言に至ったのではないかと考えられたのだ。
だが、この発言が出てきたのにはある理由があった。
実はアポロ8号の調査が行われた日は1968年12月25日。この交信の前、アポロ8号は月を9回周回しており、地球へ帰還するためにエンジン噴射作業に入っていた。この噴射作業が失敗すると地球に帰還できなくなるため、基地からもアポロ8号へ何度か交信が試みられた。しかし、何度呼びかけてもアポロ8号からの返事はない。長い沈黙の後、ようやく飛行士からの応答があった。
恐らく噴射の作業に手間取っていたものとみられ、実際の交信記録には明るい声の応答が記録されている。この返事の後に発されたのが「月にはサンタクロースがいる」だった。そして、地上からも「それは君たちが一番良く知っているだろう」と答えている。
つまり、「最高のクリスマスプレゼント=地球への帰還」がアポロ8号のクルー達にやってきたというジョークであったのである。
様々な困難や障害を乗り越え、アポロ8号は無事に1968年12月27日に地球に帰還した。
なお、アポロ8号は月からの通信内容のテレビ中継も行っており、そこでも視聴者に向けて「メリークリスマス」と発言している。この時の音声は、今でもYoutubeなどで視聴することが出来る。
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Apollo 8’s Christmas Eve Message [HD]
(飯山俊樹 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像©PIXABAY