全米で11月23日に公開される、新たなディズニー映画「モアナと伝説の海」。
既に予告映像が日本でも公開されているが、今回の舞台は南太平洋、オセアニアに浮かぶ島。幼い頃から海で育った少女モアナが伝説の島を求めて航海に出るという冒険譚で、半神半人の英雄マウイ、豚のプア、ニワトリのヘイヘイらと共に旅に出ることになる。
この映画に出てくる「マウイ」は、ポリネシア神話で今も語り継がれている英雄だ。
映画の予告映像では、マウイは恰幅が良く大きな釣り針を手にして魔法が使える存在として描かれている。動画の中でも「手に持つ大きな釣り針で太陽の動きを止めることができる」「またある時には、島に針を引っかけて海の中から引き上げたりもする」「そして、巨大な怪物と戦ったりも」と自己紹介しているが、これらの内容はニュージーランドのマオリ族やハワイ、タヒチ、サモアなど広範囲にわたって残されている伝説の内容と同じだ。
マウイは黄泉の国の女神ヒネの孫として生まれたが、すぐに海に捨てられてしまう。だが、「偉大なる祖先」によって拾われた彼は成長して後に様々な偉業を成した。漁に行って海に垂らした釣り針で島を引っかけ、海の底から釣り上げる。闇夜ばかりが続いていたので、海から空を持ち上げて星空を作る。駆け足で空を渡っていた太陽を打ち据えてゆっくりと動くようにし、昼の時間を長くする、など彼の偉業は非常に多岐に渡る。
彼は最後に不死になろうと祖母であるヒネの体をくぐり抜けようとしたが、果たせず息絶えてしまった。このため、人間は死には逆らえなくなったとされている。彼の神話は、ポリネシアの人々が自分たちの島や自然、生命がどうやって出来たのかを伝える雄大なものになっている。
他にも「モアナと伝説の海」にはハワイの火山の女神「ペレ」等、ポリネシア神話に出てくる有名な存在が多数登場する。これまでにない雰囲気のディズニー映画「モアナと伝説の海」、日本公開は2017年3月10日となっている。
(黒松三太夫 ミステリーニュースステーションATLAS編集部 寄稿・ミステリーニュースステーションATLAS)
Moana