子供向けの歌がミリオンヒットを飛ばすと、日本の政界や経済界に混乱が起きる・・・、昨今、こんな不吉な都市伝説がささやかれている。
まず最初に思い浮かぶのが「黒猫のタンゴ」(1969年発売)である。この曲は、国民的なヒット曲となったのだが、この曲がヒットした当時、学生運動と政府当局による政治闘争が全国で燃え広がっていた。また沖縄返還が確約された年であり、政治的に大きな意味のある年でもあった。
また「およげたいやきくん」がヒットした1975年~76年は、まさに政界・経済界が大混乱であった。元首相の佐藤栄作が死亡しているし、三木武夫首相が右翼に襲撃されているのだ。またこの頃、ロッキード事件が起こっている。
1990年4月4日に発売された『おどるポンポコリン』は、「ちびまる子ちゃん」のテーマソングであり、B.B.クイーンズのデビューシングルである。1990年の日本レコード大賞ポップス・ロック部門を受賞し、翌91年の高校野球開会式の入場行進曲に選ばれている。この曲が流行った90年から91年にかけて起こったのが、「バブル崩壊」である。
1999年1月、NHK教育テレビの『おかあさんといっしょ』のオリジナルソングとして「だんご三兄弟」が発表されると、子供たちの間で爆発的なヒットソングになる。このときも例外では無い。「平成おじさん」こと小渕内閣が追い込まれ、小渕首相が突然亡くなってしまい、有耶無耶のまま森首相が誕生するという茶番劇もあった。また「ITバブル」という好景気が到来したのも1999年から2000年にかけてである。
また、2007年は「おしりかじり虫」という曲がヒットした。この頃またしても政界は混乱に陥った。自民党大敗、安部首相の退陣・病気と混迷が続いたのだ。腸が弱く首相の激務に耐えられなかった安倍元首相は、まさにお尻を「おしりかじり虫」にカジラレテしまった形である。その後も福田首相の内閣投げ出しなど、二回に渡りお坊ちゃま政治家(ジュニア、二代目)が首相の座を放棄する事態に陥っている。
そして去年2016年末から今年にかけて、大人気を博したピコ太郎の「PPAP」は記憶に新しいところである。正確には子供向けソングとは言えないのだが、老若男女に一番知られた歌ということでピックアップした。ご存知の通り、この歌がちょうどYouTubeにアップロードされた頃、7月に当選したばかりの東京都の小池都知事による豊洲市場移転問題がクローズアップされた。7月から18歳選挙権が施行され、そして8月には天皇陛下が自らのお言葉による退位のご意向を示唆されている。なおおまけであるが、この歌を唄うかわいい孫の姿が動画サイトにアップされたドナルド・トランプがアメリカ大統領選挙で勝利した。
子供の好む歌が世の混乱を呼び込むのだ。これは平安末期に平家が恐れたカムロたちの不気味な歌と同じであり、無意識に世の混乱を察知しているからかもしれない。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像『おどるポンポコリン』ジャケット写真より