サン・ジェルマン伯爵は、18世紀のヨーロッパに登場した、「不老不死」とされる人物である。

彼はいつも綺羅びやかな衣装に身を包み、数ヶ国語を巧みに操り、様々な知識を披露した。特に化学と錬金術に造詣が深く、はるか昔のことを見てきたかのように話した。




彼の名前が出てくるのは1710年、作曲家ジャン・フィリップ・ラモーの記録によるものだ。

次第に彼の名前はパリの社交界で知られるようになり、最終的にはルイ15世やポンパドゥール夫人の前でもその知識を披露したという。

彼の年齢は60代とのことだったが、外見年齢はどう見ても40代そこそこだったという。彼はある丸薬と僅かな小麦を口にするのみであったため、研究の結果不老不死の方法をも体得したのではないかと噂された。

何ヶ国語も話すことができ、富と知識を持つサン・ジェルマン伯爵はあまりに異能の存在であったため、ルイ15世の重臣ショワズール公爵にスパイ容疑をかけられ、フランスを追われる事となる。

しかしその後も彼の足跡はヨーロッパ中に残されることとなった。記録の上では1784年、ドイツのヘッセン州にて客死したとされている。親しくしていた領主によると、享年は93歳だったという。

しかし、彼の目撃証言はこの後も続くのである。




彼は亡くなる前、1775年に一度フランスへ戻り、ルイ16世とマリー・アントワネット王妃に面会し、ある忠告を残したという。そして1789年に起きたフランス革命のさなか、彼はパリのあちこちに姿を見せていたという。その後も彼の目撃証言は相次ぎ、中には19世紀に彼らしき人物と会ったという話も出るほどであった。

最後に、彼を象徴する面白いエピソードを紹介しよう。ある人物がサン・ジェルマン伯爵の召使に「君の主人は2000年は生きているそうだが、本当かね?」と尋ねた所、「さあ、私はまだご主人様にお仕えして300年にしかなりませんので」との答えが返ってきたという。

(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

※写真はウィキペディアより

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