カブトの形をした首だけの妖怪。
正体はかつて戦国時代に活躍した武将の愛用していたカブトでゴーケツ族の「ヨロイさん」と合体することにより「ゲンマ将軍」に進化する。
ゲンマ将軍の夢はカブトさんが人間時代に果たすことのできなかった「天下統一」であり、体部分であるヨロイさんをいつも探している。
いったい、なぜカブトさんは首だけの妖怪になったのか? 史実を元に検証してみよう。
戦国時代までの日本では戦争のとき、相手の大将を倒した証として首を切断し持ち帰るという決まりがあった。そのため、昔から「切断した武将の生首が空に浮かぶ」という怪談話はこれまでに数多く確認されている。
もっとも有名なのが平安時代の武将である平将門の首伝説で、戦争に負けた将門の首はしばらくの間生き続け「おい!私の体はどこにある!」と叫びつけていたという。
首だけで空を飛ぶカブトさんの姿は不気味ではあるが、オロオロしながらヨロイさんを探す姿はなかなかにユーモラスだ。この愛嬌たっぷりな姿が子供に人気の高い理由かと思われる(同じような設定にお父さん世代には懐かしい『マジンガーZ』の敵幹部ブロッケン伯爵がいる)。
なお、余談ではあるがゲーム1作には夜の学校のシーンでカブトさんがボール役、ヨロイさんが選手となってサッカーをプレイする描写がある。
これは「生首サッカー」と呼ばれるもので、サッカーボールが開発されていなかった時代に人間の生首を使ってサッカーを行ったことが元ネタと思われる。
なかなかに酷い話だが、カブトさんもノリノリで楽しんでいたようなので、良いのでしょう…。
(穂積昭雪 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)