最近、都市伝説上のキャラクターとして人気があるのが「時空のおっさん」である。
この「時空のおっさん」は、どうやら他の次元の住民が違う時空に紛れ込むと、元の次元や時間軸に戻すのが役割らしく、作業服や清掃員のような姿をしている。
例えば、典型的な遭遇事例は以下のようなものだ。誰かがごく普通の日常生活を送っていると、奇妙な空間に紛れ込んでしまう。
そのきっかけは、さりげないものである。電話ボックスや建物に入るのがきっかけだったり、電車や車など交通機関が降りるのがきっかけだったりする。中には神社やお寺から異空間に紛れ込んでしまう場合もある。
町中の様子で判断すると、それはまさしく現代の日本であり、日本語が喋られているようなのだが、日本語の発音や筆記が若干違っており、一読しても理解出来ない。
この時空の自分の家族や友達に連絡をとるが、相手のしゃべっていることがわからず、意思の疎通が出来ない。
混乱していると、誰かに通報されこの世界に存在する警察がやってくる。
不思議なことだが、警察組織の一部の人間とは言葉が通じる。その連中の手助けか、あるいはその連中から逃げ出し「時空のおっさん」と遭遇し、元の世界に帰れるというものだ。
この「時空のおっさん」だが、時空の迷い人にあった場合、必ず「元の時空に帰りたいか、それとも残りたいか」と聞いて、本人の意思に添って送ってくれる。
興味深いのが、大概、初対面のときは何らかの作業中であり、発する言葉も「あれ、なんでここにいるの?困ったなぁ」というパターンである点だ。
果たして「ゴム人間」や「小さいおっさん」のように現代妖怪のニューヒーローになるだろうか。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)