事件

【神が味方した?】何回自供しても逮捕されなかった”死の天使”

素直に自分の犯罪を自供し続けたにもかかわらず、犯罪が明るみに出ず殺人を繰り返すことができた男がいる。

ドナルド・ハーヴェイ、「死の天使」と言われるアメリカの連続殺人鬼である。




まず彼は、自分のアパートで上階に住む老婦人と、友人の父親にヒ素を混ぜた食事を提供して殺害。

その後、ハーヴェイは病院で看護助手として働くが、死体安置室から死体を盗み解雇、他の病院に転職する。

しかし、転職先の病院で痴呆症の老人に排泄物を顔に塗られ、激昂したハーヴェイはその老人を窒息死させる。

これを皮切りに、ハーヴェイは酸素吸入器を外したり、お気に入りのヒ素を使ったりして次々と患者を殺害していった。

驚くことに、ハーヴェイは患者が死ぬたび、「俺がやったよ」と周囲に自供していた。

しかし、ハーヴェイは普段温厚な性格だったこともあり、皆冗談だと思い、誰もまともに取り合わなかったため逮捕されることはなかった。

さらにハーヴェイは、酔っぱらって強盗を働き警察に逮捕され、そこでも彼は殺人の数々を自供するものの、警察もが冗談だと聞き流しハーヴェイは釈放される。

この逮捕の後10年の間に、彼は殺人日記をつけながら殺害を続けた。




その後ハーヴェイは、挙動が不審だったことから病院で警備員に取り押さえられる。

この時、警察は彼のバッグから38口径の銃と注射器、外科用はさみ、手袋、様々な医学書、オカルト関連の本2冊、そして、連続殺人犯シャルル・ソブラジの伝記を発見した。彼はオカルト的儀式で殺害相手を選んでいたとも言われており、この時バックに入っていたものはすべて殺人を犯すための道具であった。

しかし、銃の所持のみが問題とされ、またもやハーヴェイはわずかな罰金を支払い解放されたのだ。

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そして運命の1987年、急死した男性の検視解剖中にその男性は毒殺されたことが判明。この件でハーヴェイは遂に逮捕される。

彼は殺人の動機についてこう語った。

「私は他人の生死を支配する力があった。最初の15人の時に捕まらなかったのは、その力を行使する権利があるからだと考えた。私が裁判官であり陪審員だった。つまり、私が神なのだ」

何度も逮捕され、自供も繰り返していたにもかかわらずハーヴェイが殺人罪で逮捕されなかったのは運命のいたずらなのだろうか。

筆者には、神が彼を逃していたように思えてならない。ハーヴェイは自らを神と称したが、オカルト的儀式で殺害相手を選んでいたことからしても彼には何らかの神が味方していたのではないだろうか。

文:鵙屋まみ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)