スピリチュアル

【実話怪談】「父が家に帰ってこない!」

筆者が子供の時の話である。

田舎の為、当時は夜道でも街灯もまばらであった。

ある日の事、車で時間がかかっても20分程度で着く場所へ所要があって出かけた父が数時間しても帰って来ず、母と二人で「遅いね」「帰ってこない」「事故にでもあったんではないか」と心配していた事があった。

当時は、携帯電話がない時代である。所要を済ませてから、往復でも1時間以内には帰って来られる距離である。その時間内ですぐに帰ってくる予定であった。

それから5~6時間、深夜近くになってようやく帰ってきた父が開口一番こう言った。

「帰れないかと思った」
「車で迷った」

と、こう言ったのである。

母は「生まれも育ちもその土地でずっと暮らしてきたので、いくら田舎道であっても、単純な道で道に迷うはずがない」と馬鹿にした。

すると父は間を置いてこう言った。

「俺も迷うはずがない。何度も通ってる道で迷う場所じゃない!(怒)」
「道順はわかっていた。だけど、帰りつかなかったのは、曲がる所を左折して、普通なら道が続く。でも曲がると塀のようになってて行き止まりになって引き返した」

更に

「ドンつきの塀になっている行き止まりの道なんてここら付近にはない。『おかしい』と思って道を引き返してまた運転すると、また行き止まり。いつもの通り道に出られない、迂回して別ルートを探して繰り返していたら、途中で気づいて…実は同じ所の場所に戻っていて、ひたすらグルグル回っていた」

と、このように答えた。

私と母は「取り敢えず、家に帰り着いただけでも良かった。事故でもあったのかと警察に連絡しようかと心配していた程だった」と説明したら、父は「今何時?」と聞くので、時刻を伝えた。すると、

「4~5時間も同じ所を彷徨っていた。途中で怖くなって、『心底家に帰りつけないかも』と、半べそ状態だった。グルグル同じ所を左回りに回っていて、『どっか別の世界に行ってしまったのか?もう家族とも会えないダメかも』と思った時に、“フッ”といつもの通りの道に出られて帰ってこれた」「あれは狐か狸に化かされた。何もない所、狐か狸の仕業。そうじゃないと説明がつかん」

と大真面目に説明した。

無論、私と母は大爆笑して、そう弁解した父を馬鹿にした。「そんないくら田んぼと畑で狐や狸がいても、人を化かすなんてあるはずもない」と。

血相を変えたまま血の気が引いていた父だけはその化かされた威力を目の当たりにし、その話をすることは以後無くなった。

(怪怪珍怪 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

Janusz WalczakによるPixabayからの画像

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