都市伝説

【都市伝説】夜になると動く!?二宮金次郎の噂





かつてどこの小学校にもあった「二宮金次郎」の銅像。薪を背負い本を読みながら歩く姿はお馴染みだ。

同時にこの「人型の銅像」は模糊とした恐怖も子供たちに与えてきた。

「夜になると歩き回る」「血の涙を流す」そんな噂を聞いたうえで銅像を見上げれば、子供心にさもありなんと思ってしまう。

Sさんという40代前半の主婦から聞いた話だ。

彼女の小学校には「夜、誰にも見られないように二宮金次郎に願い事をすると叶う」という噂があった。「ただし、人に見られると金次郎の像に襲われる」という恐ろしいオマケもついていた。

好奇心を刺激されたSさんはある日の放課後、児童のほとんどが下校した遅い時間帯を見計らって二宮金次郎の像のある校舎裏へと向かった。当時好きだったクラスの男子と両想いになれますように、そうお願いしてみようと思ったのだ。

周囲に人の気配はない。高い台座の上に立つ二宮金次郎を見上げ、手を合わせて恋愛祈願をしようとした時、Sさんはあることに気付いた。

二宮金次郎の持っている本の上で何かがカサカサと音を立てている。見上げると風に吹かれて紙のような物がチラチラと見え隠れする。




どうにもそれがなんなのか気になったSさんは、大胆にも金次郎の足をつかんで台座によじ登り、本の上を覗き込んで戦慄した。

「○○校長を殺してください」乱暴に破ったであろうノートに赤いマジックで、そう書き殴ってあった。ガムテープで下から見えないように張り付けてある。

当時、児童会役員だったSさんは、一月ほど前に児童代表として校長先生の葬儀に参列したばかりだった。

殴り書きではあったが、その文字は美しく大人の筆跡だと思ったという。金次郎はいつから、この恐ろしい願いを見つめ続けていたのであろうか。

昨今「ながら歩きを助長する」などと言われる「かつての勤勉の象徴」は、今、校庭の隅で独り何を思うのだろうか。

(おおぐろてん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)