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手助けされた人物がサリン事件の実行犯!?都市伝説「親切なテロリスト」





7月6日午前、地下鉄サリン事件等様々な事件を引き起こした一連のオウム真理教事件にて、オウム真理教の教祖であった麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚の死刑が執行された。また、元幹部の早川紀代秀死刑囚(68)、井上嘉浩死刑囚(48)、新実智光死刑囚(54)、土谷正実死刑囚(53)、中川智正死刑囚(55)、遠藤誠一死刑囚(58)の6人も同日に死刑執行となっている。

オウム真理教は多くの事件を起こしているが、特に地下鉄サリン事件は日本の犯罪史上類を見ない大規模なテロ事件であり、大都市で無差別に化学兵器が使用された世界でも類例のない事件で国内外に大きな影響を与えたものであった。

この地下鉄サリン事件が起きた時、このような都市伝説が一部で囁かれていたという。

都内在住のある人物が道すがら、奇妙な白い服を着た人物が重い荷物を台車で運ぼうとして四苦八苦しているところに出くわした。周囲に誰もいなかったため、何気なく声をかけて運ぶのを手伝ってやったところ、その人物はとても感謝してくれて、このような事を告げた。

「お礼にいいことを教えてあげるよ。☓☓線は使う?◯月◯日の朝は絶対にその路線を使ってはだめだよ。絶対に時間をずらして。いいね」

普段使う路線ではなかったが、その様子が印象深くて忘れることが出来ず、ずっと記憶に残っていた。




そして3月20日、彼が家を出て駅へ向かっていたところ、ある路線が運行を止めている事を知る。その日は地下鉄サリン事件が発生した日。止まっていた路線はサリンが巻かれたあの路線だったのだ…という内容だ。

これはあくまで噂、都市伝説でしかないもので、大規模な事件が起きた時にささやかれる「親切なテロリスト」という話の一形態だ。

何かしらの助けた人物が実はテロの実行犯の一人で、情報を教えてもらって危機から逃れられるという流れで、同様の噂は9.11テロ等の際にもささやかれている。




困っている様子のアラブ系の男性を助けたところ、同じように「○○に近づかない方がいい」とアドバイスを受けて難を逃れるというものだ。

地下鉄サリン事件が起きた際には他にも「深夜に町中で何かの器具を頭に着けた変な格好の人を見た。もしかしたら…」というような体験談などがささやかれることもあった。これも恐らく発端は見間違いや記憶違いにすぎなかった可能性が高いのだろう。

しかしながら、上記の風説は未曾有の事件に対する恐怖心が存在しない人物を心の中に生み出してしまったのではないだろうか。

(勝木孝之 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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