知られざるタロットの「裏側の世界」。実は続いていたストーリー【アフタータロット・ニュービジョン】

こんにちは、ライターで占い師の大柴あまねです。

数ある占いの中でも特に人気があるタロット占い。発売されるカードは年々数を増し、好きなイラストレーターの絵柄をコレクションする人も増えてきました。

タロットというと不気味な絵が描いてあるイメージを持っている方も多いのですが、カードにはストーリーがあり、絵本の挿絵のように一場面を切り取って描かれているのです。そのカードの世界を別の視点でとらえることが出来る、変わったカードがあります。

「タロットの世界を裏側から見たら?」

「タロットのその後の世界は?」

今回はこの2つの視点で考えられた、タロットを深く解釈するためのカード、「アフタータロット」と「タロットオブニュービジョン」に注目します。

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アフタータロット、タロットオブニュービジョンカードとは?

アフタータロットとは、「ウエイト版タロット※のその後の世界を描いたタロット」です。「もしこうしていたらどんなことになったのか?」と誰もが思うパラレルワールドを垣間見ながら、たくさんの未来の可能性を探求することができるカードとして開発されました。

※ウエイト版タロットとは?

タロットカードにはたくさんの種類が存在します。有名なものとして「トートタロット」「マルセイユ版タロット」などがありますが、ウエイト版タロットはアーサー・ウエイト博士が考案したタロットを指します。世界で最もポピュラーでファンが多く初心者向きとされています。絵はパメラ・コールマン・スミスさんが描いたものが現代のウエイト版タロットの原型になっています。アニメやマンガに登場するタロットはだいたいコレです。

一方タロットオブニュービジョン(以後ニュービジョン)とは、「タロットカードの世界を反対側から見たらどんな風景か」という趣旨で作られたカードです。視点を変えて絵柄を加える事で、伝統的なタロットのシンボルにより近づくことが出来、象徴の意味に厚みを持たせることができるものとして作られました。

共にイタリアの有名メーカー、スカラベオ社が製作しています。これらの2種は単独ではなく、通常のウエイト版タロットと合わせて使用することで、より立体的な解釈をする事が出来ます。固定観念を一新し、見方を変えた解釈をしたい時に良いカードです。

ウラナ

吊るされた男の自己満足

通常版の吊るされた男のカードです。こちらも某アニメを思い出しそうです。本来は「試練を受け入れて気付きを得る」といった鍛錬や奉仕といった意味のカードとされています。

試練と思えば苦しい表情も和らぐものです。この苦しみは後から自分に生かされるもの、そんな風に思っています。

しかしそれも、一方的な彼だけの思いなのかもしれません。

なぜなら……

ニュービジョンでは、彼の目の前に人だかりがあります。良く見ると人々は彼に対してとても怒っているようです。吊るされている本人は「これは試練だ」と思っていても、周囲から見ればただの迷惑。

「邪魔だ!そこで何やってるんだ!やめろ!」

しょせんは彼の自己満足なのかもしれません。

このようにニュービジョンの視点で観察すると、思わぬ気付きが得られることがあります。

愚者の行き先

愚者のカードです。バカと呼ばれるこの愚者は、可能性を示すカードです。まだ見ぬ自分の未来を思い描いて旅に出ています。

遥か遠くの理想を見てはいますが、足元の崖には気付いていないようです。

犬「危ないから足元に気をつけな!」

旅の友である犬の意見が聞こえているのかいないのか、相変わらず空ばかり見ています。

しかしニュービジョンには、彼の前方にドッカンと噴火する火山が。

犬、ちょっとビビっています。

そして案の定、

アフタータロットでは崖から落ちてしまいました!

犬「おバカ、だから言ったのに」

それでも彼は、わずかな荷物(なけなしの財産)を捨てて、バラ(希望や理想)を選んでいます。その愚者加減に拍手です。



死神が通る

大人気のカード、死神です。某アニメでも有名ですね。不吉なカードとされていますが、本来は再生するために死をもたらす、神の使者として描かれています。物事を終わらせ、変容の時期を告げるカードです。

アフタータロットの死神です。

後ろにいた王と右下にいた子供が死んでしまいました。こうして死は老若男女問わず誰にでも正しく平等にもたらされます。信仰があっても、権力があっても、無邪気であっても、終わりを告げて再生に誘います。

過去の栄光にすがる男の行き先

このカード、ペンタクルの4です。男が財産を守りたくて豊かさに執着している姿が描かれています。遠くに街が見えますね。これが通常版の絵柄なのですが、

アフタータロットでは、背後に忍び寄る死神の姿が。

古い考えや過去の栄光に固執する男に、その考えがもう古いことを伝えに来ています。過去の利益を手放して早く立ち上がらないと、首をはねられるかもしれません。なぜなら、

男の目の前には、大きな山が見えます。

ニュービジョンには、もうぼろぼろになった椅子(過去の成功の座)に腰かけて動こうとしない男の姿が。

そんなに過去に縛られて、この山(時代)を越えられるでしょうか。

山を越えられない、かといって街(流行最先端)には戻れない、過去に縛られた男の哀れな姿です。

若き勇者の凱旋

通常版の戦車のカードです。戦いに勝利した若き王子が勇ましく凱旋しています。勝利を治め、堂々の帰国です。

しかし後ろを見てみると

ニュービジョンには、捕虜になった敵国の王と王妃の姿が。民衆のさらし者になっているようです。

「勝って浮かれていても、負けた者の存在を忘れるな」

敗北した王は、振り返ってこんなことを言っているのかもしれません。

たとえ勝利しても、負けた相手に対する礼儀は必要です。

相撲の世界みたいですね。

男女の世界は因果応報

女子に人気の高いカード、恋人です。こちらも有名なカードですね。こちらの通常版のカードに描かれている男女は、アダムとイブだとされています。

二人は大天使ラファエルの加護のもと、エデンの園に暮らしています。

しかし二人がいつまでもここにいるわけではない事を、多くの方が知っていると思います。良く見ると、木に巻き付いた緑のヘビが、イブに何かささやいています。

ヘビ「この木の実を食べてごらんなさい」

アフタータロットでは、そそのかされたイブが木の実を取って同じようにアダムに渡す姿が描かれています。

しかしそれは禁断の木の実。天使は規律を守らない二人に制裁を加えるべく、剣を抜きました。

ヘビ「ヤバイっ」

いち早く気付いたヘビはさっさと逃げてしまいました。

このようにして、二人はエデンを追放されてしまったのです。




自ら欲情に溺れる。悪魔のカード

こちらは通常版の悪魔のカードです。呪縛や堕落といった意味があります。このカードの男女、恋人の男女に立ち位置が似ていませんか?これは恋人の男女が堕落した姿だと言われています。

男性が女性を見て手を伸ばしている様子も同じです(女性は見ていなんです)。これは男性が女性に快楽を求める様子と言われます。

ニュービジョンで見てみると、男女の周りにはたくさんの悪魔がいるようです。取り囲まれています。

しかし悪魔が男女の首にかけている鎖は、あくまでゆるめであり、逃げようと思えば逃げられるものなのです。しかし二人は逃げません。欲望の虜だからです。

そしてついに……

男女は欲望を貪るために堕落してしまいました。

アフタータロットでは、ニュービジョンで二人を囲んでいた悪魔たちが姿を表しました。

実は煩悩の現れでは?と思えるほど、たくさんの数の悪魔がニタニタ笑って二人を見つめています。108体いそうです。

思い上がりへの神の鉄槌?塔のカード

こちらは通常版の塔のカードです。

塔に落ちた雷のせいで男女が真っ逆さまに落ちています。これは突然のアクシデントやショックといった受動的な破壊を意味するカードです。

アフタータロットでは、落ちた男女が地面に倒れて死んでしまっています。悪いイメージばかりのこのカードは、しばしば「予測できなかった誰かからの攻撃」として捉えられますが、実は思いあがりに対する神の鉄槌を表します。

塔は思いあがって築いたもの、それを一気に破壊されるのは自分のせい、そういう意味です。

ニュービジョンの塔です。

塔の裏手にはどこかでみた赤い木の実とヘビが。

この男女も、恋人の男女の思いあがった姿なのです。悪魔と同様に堕落した姿の一つと言われます。

またヘビが木に絡みついていますね。

人間をそそのかすヘビは、いつでもすぐ近くにいるのです。

このようにアフタータロット・ニュービジョンには、関係ないと思われた他のカードにつながっていることがあり、時に驚くような発見があります。

占いには使えるのか問題

この2種のカードは伝統的なカードとは視点が異なり、画期的で想像の翼を広げる良いきっかけとなるカードです。しかし「こんなものはおふざけだ」と一刀両断する占い師もたくさんいます。どちらも想像で描かれているからです。他にも「このカード可愛いねえ」「こんなものが隠れてるなんて意外だねえ」というふうに、特に活用はしないけれど眺めて楽しむ占い師もいます。新風ではあるものの、必ず必要なアイテムではないからですね。

こちらで紹介した基本のカードは最もポピュラーであるウエイト版というバージョンですが、意味がそのまま絵になっているので解説本がなくても解釈しやすいというメリットがあります。しかしこの2種のカードは基本的な意味を理解していないと絵の意味がさっぱり分かりません。よって占いにはあくまで補助的に使うのみで、この2種だけで占うのは難しいと思われます。基本のカードをめくった後にそのカードを深く読むために脇に置いて比較してみる、といった使い方が無難ではないでしょうか。あくまでも違いを楽しむためのカードのようです。

(大柴あまね 不思議.NET)

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