日本のテレビは、「衝撃映像」と題してカースタントのチャレンジものを多く放送している。
今でもこの手の企画は数多いが、たとえ失敗したとしても「実は無事でした」という結末で締められるものがほとんどだ。だが、かつてはスタントに失敗し死亡事故にまで発展した放送もあった。
もっとも有名なのが「アラン・バンクス」によるカースタント事故だろう。俳優、スタントマンのアラン・バンクスは、連結したバスの中を車で突き抜けるというカースタントのショーを行った。
アラン・バンクスはヨーロッパでも有名なスタントマンのひとりであり、誰もが失敗するとは思ってもみなかった。ところが、アランの乗った車はバスの中を突き抜ける途中に炎上し大破。アランは首を切断され即死した。
事故の一部始終はテレビでほぼノーカットで放送され、泣き叫ぶ遺族の姿、そして首のないアランの遺体が日本全国のお茶の間に流れてしまった。
今では考えられない放送事故であるが日本のテレビはこういった放送事故も普通に放送していたのだ。
文:空桶右太衛門